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アオザメがやってきた!! @葛西臨海水族園 [サメ]

またひとつ“夢”が叶ってしまった。

11月20日、葛西臨海水族園にアオザメが搬入され、翌日より展示がされたからだ。
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アオザメ。個人的にもっとも見てみたかったサメのひとつであり、夢の魚。
その飼育はきわめて難しいらしく、これまでも串本、須磨、むろとなどの各施設に生きて搬入され、展示されたことはあったものの、いずれも短時間で終了。
駆け付けようにも、展示終了までの時間が短すぎて間に合ったことはなかった。
残念ながら今回も、22日朝の時点で展示終了が発表され、1日のみの展示期間となった。
つまり、水族館で生きた姿が見られるなんて、限りなく奇跡に近い。よほどの幸運に恵まれない限り、その泳ぐ姿は拝めるものではない。

少し前、葛西ではイタチザメの幼魚が搬入されており、その筋のマニアたちがTwitterのTLを賑わせて? いた。
そのイタチ仔を見に行くつもりで、21日の朝、混雑状況でも見ようと葛西臨海水族園のTwitterを見てみたら…… 何とアオザメを搬入しました、と。
動転しそうになったが、あらためて日付を確認すると、2019年11月20日とある!! 降って沸いた超ラッキーに、取る物も取り敢えず葛西へと駆け付けた。

アオザメがいるとされる回遊水槽へ。
しかし、いくら見回してもその姿が見えない。間に合わなかったか!?
落胆しかけていたら、ウェットスーツを着たスタッフ氏が入水。大きなマグロが泳ぐエリアとの仕切り部分から、何かを引き上げている。
案の定、それが目的のアオザメだった。引き上げられたアオザメは、それからゆっくりと泳ぎ始め、スマやハガツオが泳ぐエリアまで泳ぎ出てきた。

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初めて見た!! 当たり前だけど。
思っていた以上に青くなかったこともちょっとした驚きだったが、それよりも各ヒレの小ささに驚かされた。
胸鰭も背鰭も“これだけ?”と思うくらいに小さい。とりわけ、第2背鰭と臀鰭の小ささは、これ、付いてる意味あるの? と思ってしまうくらいに小さかった。
アオザメはサメの中でもっとも速く泳ぐ種類と言われているが、鋭く尖った円錐形の吻端とか、力強い筋肉で形作られた丸太のような胴体は、どこかコンコルドを連想させる。そこに小さなヒレを組み合わせた形こそ、無駄をそぎ落とした“サメにおける最速フォルム”なのだろう。
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遊泳の際の体の振りも回数が多く、鰭の揚力に頼らず、大きな尾鰭をブンブン振って泳ぎ続けるスタイルなのか!? 揚力以上に推力重視!? そんな部分もコンコルド的イメージ。燃費も悪いのだろうか? ただ、体の振り回数が多いのは、もしかすると状態の影響の可能性もあるけれど……
得られた驚きや発見の多さは、やはり生きた実物が見られたからこそだ。今回のこの展示に携わった葛西臨海水族園と、スタッフ氏にあらためて感謝したい。



でも、生きて泳ぐアオザメは、それを継続して飼う難しさも見せてくれたような気がした。

かつて、美ら海水族館の前館長、内田詮三氏が「アオザメみたいな、沖合でビュンビュン泳いでいるようなタイプは、カッコはいいが、水槽では壁を認識しないので飼いにくい。」と仰っているのを聞いたことがあったが、そんな言葉が頭に蘇ってくるほどに、水槽のアオザメは壁や障害物を避けられていなかった。

眼が大きく視力も良さそうなのに、水槽の端まで行くとアクリルにぶつかったり、特に水槽内側に張り出したアクリルパネルの端の部分が鬼門だったようで、そこにぶつかり引っ掛かってしまうことが度々見られた。
そんなところが障害になるの? みたいな部分だが、アオザメを水槽で飼うなら、まず、水槽内の突起物はどんな小さなものでも無くさなくてはならないようだ。
いろいろと妄想は膨らむが、そもそもアオザメなんて、生きて輸送するのが究極に難しい部類なはずで、それをわざわざ水槽を作ってまで長期飼育にチャレンジする施設、出てくるかなぁ…… チャレンジしてくれるところがあれば嬉しいけれど。

状態がよくないのもあってか、どこかに引っ掛かったりすると、そのまま泳ぐのを止めて沈んでしまう。
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アオザメの場合、止まる=窒息だから、着底してしまうや否や、長い棒に取り付けられた網やその枠などが伸びてきて、サメの遊泳を促したり、どこかに引っ掛かってしまった際は、そこから外したりと、ケアが続けられていた。
時間の経過とともに、着底してしまうことも増えていたが、その度に誘導棒が下りてくるので、担当スタッフ氏はきっと、付ききりだったのだろうと思われる。
そのお陰で、21日の開館中はとりあえず遊泳状態を見ることができたし、しかもそれが、人口が多い東京の、行きやすい水族館に来てくれたこともラッキーだった。
オレと同じく夢が叶った人もいただろうし、少なくないサメファンが、一生に一度かも知れない幸運を掴めたのだからね。

そもそも、葛西に行くきっかけとなったイタチザメ幼魚はというと……
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元気に泳いでた。
毎年、今くらいの時期になると、全国あちこちの水族館で“イタチザメを展示しました”というニュースが聞かれるような気がするけれど、暖かい海域で産まれた幼魚が黒潮に乗って本州沿岸にやってくる、みたいなことだろうか?
今回、葛西にやってきた個体も、産まれて日が浅そうな幼魚。
既に餌も食べ始めているそうで、すぐに死んでしまうとかいうことはなさそう。
でも、長期飼育が困難な種類であることは間違いないので、今だけの可愛い姿を見ておきたい人は、なるべく早く行っておくことをオススメしておきたい。
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Kazu

おめでとうございます!よく撮れていますし、サメらしいフォルムも素晴らしいですね。わずか1日、運といってしまえばそれまでですが、ミストラルさんの常日頃のサーチと心構えの賜物かと思い、少しでも見習わせていただきたいところです。
by Kazu (2019-11-24 19:36) 

ミストラル

>kazuさん

今回は情報収集以前に、運に恵まれました。
でも、見たい何かがある場合は、やはりそういう情報収集も重要ですね。
見られてよかったです!!
by ミストラル (2019-11-30 16:30) 

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