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さんご畑(沖縄) [相当施設インプレ]

もう半年くらい前の話になるだろうか。
イベントの打ち合わせだか何だかで、オレを含めた水族館ブロガー3人が集まって話をしていた時のことだ。
未知の施設の探索に心血を注ぐ? めnちが「また基準を満たした施設を見つけました!!」

内心、「またか!!」と思いながらも話を聞くと、その施設があるのは沖縄だという。
その数か月後に沖縄行きの予定が決まっていたため、それじゃあ見てくるよ、と、未知の施設? のチェックを請け負った。

その施設は「さんご畑」という。
陸上施設でサンゴ養殖を行っていて、増殖させたサンゴを海に還すことを行っているらしい。
そのさんご畑があるのは沖縄本島中部、読谷村。周辺の有名観光地としては残波岬がある。
国道58号線から残波岬方面へクルマを走らせること15分くらい。リゾートホテルなどが立ち並ぶエリアにある。
駐車場から海に向かう道を3分くらい。坂を下った先にあった。
陸上施設とは言え、そこはもうまさしく海っぺり。波が高い日ならその波をかぶる? みたいな場所だった。
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入場料を払い入場した先にあったのは、大きな池が点在する庭園。
池の周りにはサンゴを意識したのだろうか、白いゴツゴツした壁で区切られた通路がその池を囲んでいる。
池に入っているのは、もちろんサンゴ。サンゴ養殖のための施設だから、水が入っているところにはほぼすべて、何かしらのサンゴが入っている。
つまり、サンゴの海を見るみたいな光景が、縮小されて足元に池に収まっている、みたいな施設だ。
池の中にはサンゴの他に、サンゴ礁を泳ぐ魚なども入っていて、それらを探す楽しみは、まさに自然の海さながらだ。
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サンゴが暮らす海から取水され、いくらでも使える水。そして池の周辺は光を遮るものが何もなく、サンゴを育む太陽光はダイレクトに降り注ぐ。
都市部などの水族館でサンゴを育成しているスタッフ氏なら、ジェラシーの炎を燃え滾らせてしまうような、まさしく自然さながらの環境が再現されている。
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本来の目的を忘れるところだった。ここは“水族館”なのかという点。
動かせない水槽(池だけど)があって、一部の池には横からも見える窓が付いている。
池は比較的大きく、施設の水量は10tは軽く上回っているだろうし、池や水槽などの総数は10以上ある。
水族館とは名乗っていないが、5つの条件中、4つを満たしているので、“水族館”ということになる。
しかし、オレはここを水族館とするのは違うんじゃない? みたいに思えた。

そもそも“館”じゃない。
池が並んだ庭園だ。屋根はないから、雨風、沖縄の強烈な日差しの影響をダイレクトに受ける。
もちろんそれはサンゴにとってはプラスだろうけど、見学者には辛い場合も多い。
さらに、天候によっては綺麗に見えなかったり、そもそも見学できないなんてこともあるかも知れない。

池を泳いでいるのが、上から見るように作出された金魚や錦鯉なら、上見での展示は正しい展示方法と言えるのかもしれないが、ここのメインはサンゴ。
水面から見るのがベストな見え方とは思えないし、それ以外の魚などもほぼ上からしか見えず、観察窓が付いた池にいるものも満足に見えるとは言い難い。
魚は展示されているというより、そこにいる、といった感じ。真剣に探すと種類数はそこそこいそうだが、それらの多くは魚名板などもなく、海から移設されたサンゴ礁の風景の一部、みたいな印象。
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小さな観察窓から見える光景は、海中展望塔的。窓が大きくないので広くを見渡せない上、魚が通りがかっても、窓の前を通り過ぎてしまえばもう見えなくなる。

そもそもここは、サンゴの増殖を目的とした育成施設。観光施設としての一面も担っているとは言え、紹介されているのは“サンゴそのもの”ではなく、こういう風にサンゴを育成して、それを海に還していますよ、みたいなこと。
展示されているのは“生物”ではなく“行為”みたいな印象だ。

“見る”という目的に対して、物足りなく感じる点が多いことがこの施設を“水族館とは呼べないんじゃないか”とした理由だが、楽しいか楽しくないかはまた別の話。
思った以上に楽しめて、考えていたよりも長い時間をそこで過ごした。

いかに沖縄とは言え、サンゴがこんなに密集している場所はなかなかないだろうと思う。そしてその池が綺麗なのは間違いないし、周辺の景色から南国らしさ、沖縄らしさも感じられる。
池にいる魚やカメには餌やりもできる。
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集まってくる魚たちは、よく見知ったつもりの種類だったが、直の太陽光の下で見る色の鮮やかさは驚き以外の何物でもなかったことは発見だった。
池を泳ぐ魚を、あれがいた、これがいたと探して回るのも魚好きならきっと楽しいはずだ。

個人的には水族館とは言えない施設だと思ったが、どう感じるかは見た人次第。
美ら海水族館とはまた違った“沖縄らしさ”を感じられる水族施設であることは間違いない。
沖縄の観光と言うと、最近では美ら海水族館に行った後、古宇利大橋を通って古宇利島に行くのが定番コースらしいが、水族館好きなら、さんご畑→OMRC(ルネッサンスリゾートオキナワ)→美ら海水族館、なんてコースが成立しそうだ。
近くに高速のインターはないけど、施設がある読谷村は美ら海水族館に行く途中だし。
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コメント 1

Kazu

施設探索お疲れ様でした。確かに「展示されているよりもそこにいるという感じ」というご感想が全てでしょうか。それが水族館となると、極論ですが、森林公園などの魚が放たれた人工池も水族館という感じになりますし。でも確かに沖縄を感じる施設ですね。
by Kazu (2019-08-25 21:39) 

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