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小笠原の天然? 水族館 [サメ]

自然豊かで、透明度が高く、サンゴに色鮮やかな魚が沢山いて…… 
そんな海のことを、TVや旅行ガイドなどでは“天然の水族館”なんて紹介しているのを見掛ける。
ステレオタイプと言うのか、もうちょっといい言い方ないの? と思っていたのだけど、小笠原には“天然の水族館”と呼びたくなるような場所があった。

そこは大村の街からもほど近い桟橋で、水産センターの裏手あたりにある“とびうお桟橋”。
イルカウォッチングやダイビングなどの船や、漁船などが係留されている小さな港。
周辺の景色や、水が綺麗なことを除けば、一見、どこにでもありそうな港だ。
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小笠原に行く前、いろいろ調べていた中で、とびうお桟橋でシロワニが見られることがあるというのを見掛けた。
それを知って、そこに行くことが水産センターに次ぐ重要な? 目的となったものの、相手は自然の魚である。運が良ければ見られるのかも? くらいのつもりで期待はしてなかった。

いざその場に行ってみると、海を覗き込んでる人たちが何名か。
オレも海を覗き込んでみると……

いた!!
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まさかこんな場所に、まるで飼われた魚みたいに、ワイルドのシロワニがいるとは思わなかったので、本当に驚いた。
ここまであっさり見られるとは思わなかったので、サメの姿を見つけてから慌ててカメラの準備をしたくらいだ。

シロワニの他にも、ロクセンスズメダイやテンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ボラが集まっていた。
そんなところに、海面を眺めていた観光客がご飯粒とかパンを投げ始めた。

世界遺産の島で、野生の魚に餌付けなんかするなよ!! と、苦々しく思ったのだけど、どうやら、宿泊施設などで餌やりができると案内? しているらしい。
9時(21時)が近くなってきた頃、お客を引き連れて地元のガイド? 宿の人? が入れ代わり立ち代わりやってきては解説を始め、そういう人もご飯粒やパンを投げ入れる。
思っていた以上に“観光地”となっているようだ。

次々にパンやお菓子、ご飯粒などが撒かれるため、魚の数は増えていく。
しばらくすると、マダラエイが何匹か現れ、ネムリブカも登場。
餌付けされた小魚が多く集まることで、サメやエイもそれを狙って集まってくるのだろう、そう思った。
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でも、真相は違った。

魚たちはサメの口元も平気で横切るし、ネムリブカもシロワニの口元をまるで気にしない。

その理由は、サメやエイたちの餌も用意されていたから。
何と、バケツにいっぱいの魚のアラを持ってきている人がいて、それが撒かれ始めた。
するとサメやエイたちは盛んに索餌行動を見せ始め、豪快なフィーディングタイムが始まってしまった。
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魚のアラを持ってきた人も、その様子を見ていた人に解説を行っていたから、観光に関わる仕事をしている人なのかも知れない。
アラが与えられるのは、それがある時だけで、毎日ではないとのこと。
オレが行ったのは、ちょうどその給餌日? だったようで、魚の集まりがやけによかったのもそのせいらしかった。
翌日にもシロワニを探しに行ってみたが、魚の数はずっと少なく、シロワニやマダラエイの姿は見掛けたものの、オグロオトメエイやネムリブカは現れなかった。

その場に比較的長い時間いたので、次々にやってくるガイド? たちの解説が聞こえてくる。
ただ、その内容は、間違いとまでは言えないものの、正確でもないことが多く、惜しい!!
あれがもし有料なのだとしたら、オレには不満に思う内容だが、説明を聞いてる人たちは“ふーん”みたいな感じだったので、それでもいい… んだろうなぁ。
いろいろ聞こえてきた中では、アラを撒いてた人の解説だけが参考になった。
餌を与えているだけあってか、個体数の把握、識別などもできていそうな感じで。

サメやエイを始め、魚が多く集まるのは夜。
しかし、海に向かってオレンジ色の街灯が灯り、水中もしっかり見える。
そういう意味でも、信じられないくらいに観察しやすく、水族館みたいに感じる部分でもある。しかも、水に入ることもなく見学できるし。
でも、そこにいる魚はすべてワイルド。
小笠原、スゲェ!! そうとしか言いようがないよね、まったく。

シロワニは3~4匹いるようで、水温が下がる時期になると集まってくるらしく、夏場はこの場所では滅多に見られないとのこと。
見られるのは夜がメインだが、昼間もその周辺にいるようで、見える位置を泳いでくれることは少なかったが、それでも時々、その姿を見せてくれてた。

とびうお桟橋には2晩、昼間も3回ほど覗きに行ったが、見られた魚は、

シロワニ、ネムリブカ、マダラエイ、オグロオトメエイ
ネズミフグ、テンジクイサキ(ミナミイスズミ?)、ロクセンスズメダイ、アカヒメジ、ボラ、ダツ(種類不明)
リュウキュウヤライイシモチ、スミツキアトヒキテンジクダイと思しき群れ
昼間にはトゲチョウチョウウオ、セグロチョウチョウウオなども見られた。
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シロワニは個人的に、小笠原を象徴する魚のひとつ。
水産センターでは飼われていないが、それが見られたのは本当によかった。
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Kazu

こんにちは。まさに天然の水族館、何がいるのかを目を凝らして探すのも一興ですよね。ミストラルさんお目当て(?)のシロワニが見れて良かったです。私は後れ馳せながら、リニューアル後の琵琶湖博物館に初めて行ってきましたが、バイカルヨコエビは既に展示されていませんでした。次回に期待です。
by Kazu (2018-12-30 12:11) 

ミストラル

>Kazuさん

琵琶湖博物館でバイカルヨコエビが見られなかったとは、それはまたずいぶん不運に遭遇しましたね。
年末に新しい個体がやってきたそうで、現在は展示されているそうですよ。
頑張って? 再チャレンジしてみて下さい。
by ミストラル (2019-01-04 18:55) 

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