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小笠原水産センター 小さな水族館(東京) [水族館インプレッション]

片道24時間の航海を経て辿り着いた水族館、小笠原水産センター 小さな水族館。
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おがさわら丸が着く二見港から近く、歩いて5分くらい。竹芝桟橋から直行すれば、24時間5分で到着できる!!
父島を訪れる人は二見港のすぐ近くにある街、大村を拠点にする人が多いと思うのだけど、大村からだと10分くらいだろうか。

水産センターの名称の通り、養殖種苗の開発、生産、また周辺の漁業有用種の調査、研究などを目的とした都の施設であり、敷地内にある「小さな水族館」はその一部。
でも、小笠原では観光施設のひとつにもなっており、また、地元の人が子供を連れて遊びに行く場所にもなっているようだ。

比較的広い敷地に、水族館棟以外にもサメを展示したコンクリートの池、ここの名物? 
“アカバ(アカハタ)の歯みがき”が楽しめる池などが点在している。
水族館は“小さな”と名乗っているように、決して規模の大きな施設ではないけれど、それでも総水量は100t超と、そこまで小さい訳でもない。
動かせない水槽だけでも10本あり、展示種類数も軽く50種超。認定条件をしっかり満たしていた。
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一般的な水族館よりも、生産開発や調査、研究などを主目的とした施設だからなのか、水槽はどれもシンプルで、ほとんどの水槽には砂利や装飾もなく、照明もやや暗め。
少々素っ気なく思えたりもするが、魚を見るにはとても見やすい。水中世界に浸りたい人には物足りないか?
展示されているのは、小笠原周辺の魚たち。水産センターだけに、水産有用種がやや多めな印象。とりわけ、ツチホゼリはあちこちの水槽や池にかなり立派な個体が入っており、アカハタとともに、この水族館では重要な存在であることが分かる。
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目の前の海から採水されているだろう良好な水質のお陰なのだろう。魚たちは状態もよく、どれも綺麗。
色鮮やかなチョウチョウウオなどもいるし、わずかながら小笠原の淡水生物も展示されている。他の水族館ではあまり見掛けないような魚もいたりして、なかなか楽しい。

館内の観覧通路には椅子も置かれているが、水槽の上部が開いた作りになっているので、館内の湿度は高めで、床や椅子はややしっとりしており、ちょっと座りづらい(笑) それ以前に通路はあまり広くないから、そこに座ってじっくりすると、ちょっと邪魔かも知れない。

小笠原に行く観光客の多くは、昼間は海や山の散策ツアーに参加する人が多いようで、水族館に足を運ぶとしても、夕方になってしまう、という人もいるだろう。
だが、一部の水槽、特にここで一番大きな水槽は外光の影響を受けるようで、夕方になると水槽内が暗くなってしまい、見にくくなる。
だから、魚をしっかり見たい人には明るい時間の訪問がオススメだが、明るい時間帯、特に天気がいい日の日中は、屋外プールのアカハタが隠れていてあまり遊んでくれない。

でも、夕方には夕方で、不思議な楽しさがあった。
働いている人の趣味なのか、館内ではテクノ音楽みたいなのが流れていて、閉館間際に行った時にはそれがかなりの音量で流れていた。
ここで何故この音楽? 最初は変な音楽が掛かってるなぁ!? と思っていたのに、しばらくその場にいると、その不思議さに笑えてくる。
薄暗い館内に大音量で流れるテクノ音楽。それに合わせるかのようにウツボたちが水槽内をギュンギュン泳ぎ回り、それを眺めていると何だかおかしくなってくるようで……
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何だか書いてることヤバいな…(汗)
これもまぁ、ここならではの楽しさ? ってことで。

まともな楽しみ方ももうひとつ。
水産センター名物? アカバの歯みがきについて。
池に歯ブラシを入れると、アカバ(アカハタ)が口を開けて寄ってきて、それをゴシゴシしてやる、みたいなある種のふれあい体験。
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でも、実際は歯磨きではなかった。正確にはマッサージ?
プール脇に置かれた歯ブラシを持って池に近づくと、すぐにアカハタが近寄ってくる。
口をあーんとするから、そこに歯ブラシを入れて動かしてみると、やめろっ!! と言わんばかりに顔を振り、口から歯ブラシを追い出そうとする。
たまたまその個体だけかと思ったら、口を開けて近寄ってきたほぼすべての個体が口に歯ブラシを入れられることを嫌がった。

歯磨きじゃないじゃーん!! と思ったが、当のアカハタたちはそこからいなくはならない。
そこで、歯ブラシで頭を撫でてみた。
するとどうだ、ヒレを広げたままおとなしくなる。うっとりするように歯ブラシに身を預け、そのまま撫で続けると、体色を変化させ、池の底に横たわってしまった。
そんな様子を見てなのか、はたまた、人には聞こえない歓喜の声をあげているのか、他の個体も続々と寄ってくる。

動画


どうやら、アカハタのマッサージ師として認められたらしい(笑)
ただ、両手に歯ブラシを持っても、対応できるのは3~4匹が限界。しかも、やり始めると入れ代わり立ち代わり、永遠にやってなくちゃいけないような感じになってくるので、そこはまぁ適当に。
なお、マッサージは歯ブラシのブラシ部分より、反対側の方が好みのようだ。
もはや、歯磨きどころか、歯ブラシである必要もないような……

いつものこととは言え、水族館のためにわざわざ小笠原まで行ったので、3日間、毎日足を運んだのだけど、ありがたいことに入館料は無料。

無料水族館としての満足度はベスト3に入る、と言っていいと思う。
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