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マグロの餌やり@串本海中公園 [水族館インプレッション]

今回の串本行きでは、ステラマリス以外にも、とても楽しみにしていたものがあった。
それはマグロの餌やり。
大水槽のマグロに餌を与えられるという、串本海中公園ならではのプログラムだ。
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串本に限らず、水族館で飼育生物に餌を与えられるプログラムはいろいろあるけれど、結論から言えば、それらの中で一番面白かったと思う。
理由は、与えた餌をマグロに食べさせるのが簡単ではないから。

マグロは非常に神経質な生き物だ。自分が食べようとしている餌に他の魚が向かってきたりなど、自分の進路に他の魚が入ってくることを嫌がる。
進路が重なると、餌を食べずに引き返してしまったり、その横を泳ぎ去っていってしまう。
以前、大水槽の給餌を間近で見せてもらっていた時、そんな光景を何度も見掛けたので、「マグロの餌やり」ができるようになったと知った時、「他の魚に全部食べられちゃうんじゃない?」と思った。それと同時に、どうすればうまく食べさせられるだろう? という部分に挑戦し甲斐がありそう、とも思った。

海中展望塔からまっすぐ大水槽の上へと向かい、チャレンジ開始。
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小皿に盛られた餌は、日によって構成が多少変わるらしいのだけど、オレが行った日はアジ、ソウダガツオ(マルソウダかな?)とアミエビ。このひと皿で200円。1日20皿の限定だ。

マグロってアミなんて食べるの? と思ったのだけど、これは水槽に沢山いる小魚用。
これはサービスではなく、餌を食べにくるマグロの前方をクリアにするためのもの。
アミで小魚たちを集めてスペースを作り、その空いた場所にマグロ用の餌を投げるというのがその与え方だ。
マグロがそこにいなくても、空いた場所にさえ投げられれば、持ち前のスピードで突っ込んでくるので、とにかく誰もいない所を狙うのがポイントらしい。
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言われた通りにやってみると、確かに素早く餌に向かう様子が見て取れた。しかし、他の魚に取られてしまったり、群れた小魚たちが投げた餌に群がってしまうことも多く、そうなるとやっぱり近寄ってこなくなる。
ただ、以前に給餌を見せてもらった時よりも、餌に対する反応が格段にいい。マグロだけでなく、サメの活性も高いようで、餌を投げている位置に近づいてくる。
特にサメたちの反応のよさは驚きだった。いつもは給餌時間でも無関心に泳いでいたのが、水面近くまでやってきて、餌を食べようというそぶりを見せるのだ。

大水槽の担当スタッフ氏によれば、水温の影響なのだとか。
オレが行った当日の大水槽の水温は23.7℃。これが25℃を上回ると、マグロたちの反応は鈍り、代わりにロウニンアジの活性が高まるのだという。
水温が下がってきたことで、ロウニンアジが落ち着き、マグロやサメの活性が高まってきたという。10月は海の中を見るだけでなく、マグロに餌を与えるにもベストなシーズンだったというワケだ。
サメ、それもオレの好きなメジロザメ類だと、ついついそちらにも餌を与えようと頑張ってしまう(笑) 本来はマグロに与えるべき餌なのだけどね…
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マグロにもサメにも共通しているのが、餌が水面に落ちる音に反応すということ。
そのため、餌を投げる際も、水面に勢いよく叩きつけるようにして投げると、非常にいい反応を見せてくれる。

マグロは餌をロックオンすると、流石に動きが速いので、ほぼ食べ損じがない。
柔軟性がない体にも関わらず、小回りがきくようで、間近に落ちた餌も思いの外上手に食べる。反面、サメたちはこれまた意外なくらいに小回りがきかず、餌が顔の近くに落ちると、反応はするものの、それを食べることができないのだ。
それでも、餌の小皿が3枚めになる頃には、何となくコツのようなものもつかめてきて、狙ったマグロ、サメに高確率で与えられるようになってきた。

マグロはその進路を予測しながら、できるだけ遠くに、できるだけ強く投げると食べさせることができる。
サメはマグロほど泳ぎが速くなく、しかも近くまで来るので、そこまで遠くに投げる必要はないが、先にも書いたように小回りがきかないので、やはり進路を予測しつつ、顔の数m前あたりに投げてやるとうまく食べられるようだ。サメはマグロと違い、小魚が群れていてもそれを気にせず突っ込んでくるので、餌を落とす位置さえ決まれば、確実に食べさせることができる。

活性の高いマグロはスゴイ!! 餌が着水するや否や、速いスピードでそれを食べ、直後にターンして戻っていく。写真に撮ろうと餌にピントを合わせて狙っていても、とにかく速くて撮れない。黒い影に慌ててシャッターを切っても、そんな頃にはもう泳ぎ去った後だったりするのだ。
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餌が落ちた瞬間に食い付いたりすると、激しい水飛沫が上がり、通路で見学していた数名を濡らしてしまったことも。まぁ、マグロに水を掛けられる体験なんてなかなかできることでもないので、それはそれで…(笑)

夏場はロウニンアジがやはり水面付近まで上がってきて、激しく餌を食べるので、それ狙いの釣り人がその動き方や、餌の食べ方などを研究するため、何皿も与えていた人もいたこともあるらしい。
また、2人連れだと、ひとりが餌やり、もうひとりはトンネルでスピーディな摂餌シーンを見上げる、なんて楽しみ方をする人もいるらしく、大水槽担当スタッフ氏もオススメとのこと。

これまでいろいろな水族館で、いろいろな生き物に餌を与えてみたけれど、個人的にはこれが一番面白かった。
水槽の魚に餌を与えるだけなら、それほど面白くはないと思うのだけど、限られた餌を、いろいろ考え、工夫しつつマグロに食べさせるというチャレンジは、やり甲斐という点ではかなりのものだ。

これまた串本に行きたくなる理由が増えてしまったよ…
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