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鶴岡市立加茂水族館 クラゲドリーム館(山形) [水族館インプレッション]

世界一のクラゲ水族館として知られる山形の加茂水族館。
その加茂水族館が全面リニューアルし、新たに「クラゲドリーム館」として6月1日にオープンした。

閉館や存続の危機に見舞われながら、クラゲがきっかけで復活。その後は右肩上がりの集客数で人気水族館として名を馳せる… というエピソードが有名な、実際、水族館ファンの間でも評価が高い水族館だ。

もちろんオレも、いつかは… と思ってた。
加茂水族館の主役は“クラゲ”である。どんなに素晴らしい水族館だとしても、それが遠く鶴岡まで行く原動力とはなかなかなりにくかったのが正直な所。
しかし、そうこうしている内に、水族館の方が生まれ変わってしまい、まったく勝手な話ながら、何となく取り残されたみたいな気分に(笑)
もう少しすれば、世間は夏休み。行くなら今しかない。話題に取り残され続けるのも終わりにしようと、ようやく重い腰を上げた。

目的の水族館は、最寄りの庄内空港にアプローチする飛行機の窓からも小さくだが見える。
つまり、かなり近いということ。実際、空港からは片道約10㎞ほど。レンタカーで直行すれば約15~20分ほどしかかからない。飛行機の便数は多くないけれど、東京からのアクセスが思った以上によかったことにまず驚いた。

新水族館の建物は眩しいほどに真っ白な、曲線で構成された特徴的なもの。
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その巨大さに驚かされるというほどではないけれど、白亜の豪邸ならぬ白亜の水族館は飛行機の窓からでも分かるくらいには大きく、特徴的。
その向かいには、近い将来、取り壊されてしまうだろう旧水族館が残っているんだけど、それがあることで、新・水族館の新しさ、凄さが強調されるような印象だ。
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旧水族館もトイレが開放されているので、ちょっとだけ中に入れたのだけど、見れば見るほど「ここ、世界一のクラゲ水族館だったんだよね?」とか「ここにラッコがいたんだよね?」とか、そんな思いと興味が沸き上がってくる。やっぱり、旧水族館にも来ておくべきだったかなぁ、と今さらながらにちょっと思った。

開館40分も前に到着していたというのに、既に開館を待つ人の姿が。開館10分前にはその数は50人ほどにも達した。
開館前の水族館で行列なんて、京都水族館以来。しかも今日は平日だというのに… それも新水族館への期待度の高さ、ということなんだろうなぁ。

入館すると、出迎えてくれるのはやっぱりクラゲ… ではなく、地元の淡水魚に始まり、海の魚へと続く。
あれ!? クラゲじゃないの? と出鼻を挫かれるが、真打ちはいきなり登場しないものだ。
魚の展示は、地元に根ざしたものになっていて、新しい水族館には不似合い? な、紙の魚名板には必ず地元での呼び名も書かれている。
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真っ白な建物とは打って変わって、館内は真っ黒。
明るい水槽が目立ち、見やすくなるはずの配慮だが、観覧通路が意外と明るく、アクリルパネルへの映り込みがかなり強烈。写真を撮るのに、ということではなく、少々見にくく感じた。通路はもう少し暗い方がいいんじゃないかなぁ?
それから、その通路がかなり狭い。所々広くはなっているけれど、大勢の観客ですぐに詰まってしまう。これから大勢のお客を迎えようという水族館にしては、もう少し広い方がよかったんじゃないかと。もっとも、夏休みシーズンには、どんなに広い通路でもいっぱいになってしまうのだろうけれど…

アシカショーも立派なショースタジアムがある。
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観客席とショーステージを仕切るアクリルがプールの水面よりも低い位置にあるせいか、壁に取り囲まれたスタジアムなのに、開放感がある。
真っ黒館内とは違い、こちらは真っ白。オレが行った日は天気がよかったので、目がちかちか眩しいくらいだった。
ショーに登場するのは大きな雄アシカと、芸達者な若い雌アシカが1頭ずつ。
ショー自体はアシカのフリスビー以外、割と淡々としたものながら、山形では唯一の海獣ショーとあってか、大変な盛り上がりだった。
だが、魚の展示もアシカショーも、すべてはオマケみたいなもの。
加茂水族館自身が“クラゲの水族館”と言ってるように、その主役はあくまでクラゲ。

館内順路を進んでいくと、そのままクラゲ展示ゾーン“クラネタリウム”に入る。
世界一だから当たり前の話なんだけど、そこから先は… いるわいるわ、ずっとクラゲばかりが並んでいる。クラゲに興味がなくても、スゲェな!! と思わされる説得力があった。

クラネタリウムの通路は、いくつかずつの水槽ごとに急角度で曲がっていて、そこを抜けるとまたクラゲ水槽が並ぶという作り。並んだクラゲをひと通り見てコーナーを曲がると、その先にまたクラゲが並ぶ。
そんな作りが、実際に見た数以上にクラゲを見たような感覚にさせてくれる。
大勢の観客たちも、いろいろ感想を口にしながら、クラゲたちに見入っている。クラゲってこんなに人気あったっけ? 進まない行列に辟易し、ここが加茂水族館であることも忘れ、そんなことも思ったのだけど、確かにここのクラゲは余所よりも綺麗な気がする。

そして最後に登場するのが、新生加茂水族館の象徴とも言うべきミズクラゲの大水槽だ。
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大きな水槽に揺らめくミズクラゲを眺めていると、こちらまでゆったりした気分になるようで、それこそがクラゲ水族館のクラゲ水族館たる部分なんだろうなぁ、と実感させられた。

できて間もない水族館だけに、完全ではない部分もいくつか見受けられたけれど、やはり世界No.1の自信は伊達じゃない。
エンターテイメント性は他のクラゲ水族館よりも少ない気がしたが、クラゲなんて… そんな風に思ってる、例えばオレみたいな人にこそ見てみて欲しい。
思いの外、クラゲが楽しく見えるはずだから。
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