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魚名板ができるまで@竹島水族館 [サメ]

先日、オオワニザメを見に竹島水族館に行った時のことだ。
その時、オオワニザメの強制給餌を見せてもらった(4/12のブログ参照)りした関係で、バックヤードを何度か行き来した。

当然、そこには搬入直後の魚や、展示を待つ魚などの姿があるワケだ。
オレが行ったその日の朝にも、深海ザメが搬入されたばかりで、バックヤードの水槽でその姿を見ることができた。聞けば、アイザメだという。
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このアイザメの他にも、ヨロイザメもいたりして、流石は竹島水族館!! といったところなのだけど、これらのサメたちはいずれも、沈むことができなくなっていた。
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案内してくれたスタッフ氏によれば、「空気抜きをしなくちゃならない」と言う。
急減圧によって鰾が膨張してしまう深海魚では必要な処置だが、サメに鰾はない。何の空気を抜くの? と疑問に。

漁獲されたこれらのサメたちは、船の生け簀へと収容される。
そこでは、多少過密に収容されることもあるからか、強めのエアーレーションがなされているのだという。こうした環境では、酸欠が原因で死ぬことが多いため、それを防ぐための配慮なのだけど、深海ザメはその空気を口から呑み込んでしまうものが多いらしいのだ。
口を上に向けて縦にすれば出てくる場合もあるそうだが、ほとんどの場合は前述した処置が必要になるのだという。

アイザメは漁獲時の状態が悪かったようで、キズも多く、水族館に到着した時点で瀕死の状態だったとか。そのため、展示に出る前に事切れてしまったものも。
アイザメは竹島水族館では珍しい種類ではないようで、他のスタッフ氏も「アイザメは珍しくないですね」と教えてくれたが、オレは初めて見た。
そこで、いつぞやのメジロザメの話よろしく、何でこれがアイザメだと分かるのかと聞いてみた。

深海生物担当スタッフ氏は「これまで何度も見てきているから…」と前置きしつつ、それが未知の種類である前提で、どうやって調べているのかをわざわざ教えてくれた。
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残念ながら死んでしまった個体をサンプルに、そのサメ(魚)の特徴的な部分を確認。
同定のために用いる図鑑に列記された特徴と、確認した特徴を合わせながら、似たようなものの中から、正解を導き出していく。
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深海ザメでは、ヒレや噴水孔の位置、歯の形状などが同定のポイントとなることが多いので、チェックしていく。

同定に用いた図鑑は、列記された特徴から、フローチャートのように種類を導き出すことができて、同定作業を横から見ている分にはかなり面白そうに見える。しかし、その解説に目をやるとかなり専門的で、本格的に魚類学を学んでいなければ聞いたことがないような言葉(計測部位)なんかも出てきたりして、やはり素人には少々難解なようだ。
勉強のために、オレも1セット購入しようか… なんて思ったものの、ふと値段を見てみると、4万円近い値段!!
まぁ、そうだよなぁ、と納得しつつも、簡単に捻出できる金額でもなく、今でもまだ購入には至ってない…(汗)

竹島水族館の魚名パネルの解説は、所謂、図鑑に載っているようなものではなく、“タケスイ節”全開のオリジナリティに溢れたもの。
そんな解説に至るまでには、こうした真面目? な作業は地道に行われているのだ。
解説に物足りなさを感じたなら、スタッフ氏を掴まえて、質問してみるといい。
きっと、オレと同じように満足できる答えを出してくれるはずだ。
とは言え、最近の竹島水族館は混雑していることも多いようだから、それが難しい日も少なくないのかも知れないけれど…
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