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千歳サケのふるさと館の気になる魚 [淡水魚]

千歳サケのふるさと館に行くと、楽しみなのは、いつも違った“何か”を見せてくれる千歳川の水中観察室だ。
しかし、ひとつ前のブログに書いた通り、今回はほとんど何も見ることができず、これまででもっとも寂しい景観を見続けることに。
サケはおろか、ウグイもたったの2匹だけ。しかもそれも、窓の前を一瞬通り過ぎていっただけ。あとは水流に翻る葉っぱだけ…
それでも諦めずに“サケ待ち”をしていたら、砂利の上で何かが動くのに気付いた。
動いた辺りをジッと見つめていると、また動いた!!
ハナカジカだった。
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砂利の上ではほとんど分からない色に加え、その大きさはたったの7~8㎝ほど。
動けば気付くものの、見つけてもすぐに見失ってしまう。
写真中央付近、白っぽい石の脇あたりに写っているはずなのだけど、どこにいるのかは撮ったはずのオレでさえ分からないくらい(笑)
でも、水中観察室で唯一、と言っていい、ちゃんと(と言っていいのか分からないけど)見られた魚だったので、嬉しかったという意味でもここに掲載。
とは言え、この写真じゃあまりにも、なので、水槽で撮ったものも。
IMG_6331.jpg
これが川の中で見ると、まったく分からなくなる見事な保護色なのだ。


気になる魚と言えば、入り口の水槽で展示されていた期間限定のベニザケだ。
水槽には3匹が入っていたのだけど、その内の1匹、色も形ももっとも綺麗な個体の顎下に、何やらぶら下がっている。
ブヨブヨしたナメクジみたいな、それはそれは不気味な何か。
IMG_6244.jpg
ヒダビルという沿岸性のヒルだそうだ。
遡上前の海でくっついたものらしいのだけど、それが目に付く度に「何て気持ち悪い!!」と口に出てしまう。
何でも、無理矢理引きはがすと、魚体に影響を与えるのでそのままにしてあるのだとか。
展示水槽は海水ではないので、海水棲のヒルは徐々に弱って脱落してしまうのだそうで、オレが行った数日後、ふるさと館のTwitterで脱落したことが書き込まれていた。
あまりにも気持ち悪いので有り難みは感じなかったけれど、なかなか珍しいものらしい。
でもまぁ、いろいろな意味で“気になる”存在だったのは間違いない!!

ベニザケと言えば、陸封型はヒメマスだが、そのヒメマスの有名な産地として知られているのが、千歳にある支笏湖である。
当然、千歳市にあるサケのふるさと館でも展示されているんだけど、あらためて綺麗な魚だなぁ、と。
これまで強い印象に残っていなかったものが、急に気になるようになったのは、最近、琵琶湖博物館で期間限定で展示されたクニマスの影響、なのかも!?
オレは写真で見ただけだけど、オレにはまるで見分けがつかないほどによく似ている。
もっとも、この両者は亜種関係にあるため、似ているのは当たり前なんだけど。
IMG_6306.jpg
クニマスに似てるなぁ、なんて思いつつヒメマスを眺めていたら、成熟したオスと思しき厳つい顔つきの個体が数匹。
よく見れば体色もうっすらとピンクがかっているような…
ベニザケと同じ魚だということをあらためて実感させてくれた。
というのが、この個体がここに登場した理由だ。


最後の1匹、というか1種はアムールチョウザメ。
IMG_6284.jpg
サケのふるさと館は、北海道大学などと共同でチョウザメ養殖の研究を続けているが、このチビたちも、飼育中の個体から人工繁殖によって産まれたものだ。
チョウザメの人工繁殖はとても難しいのだそうだ。ふるさと館の以前のチャレンジでも、アムールは全滅。昨年のシロチョウザメは展示されている3匹を除いてやはり全滅。
採卵数が万単位であることを考えると、驚異的な歩留まりの悪さだ。
だが、そうした失敗によって積み重ねられたノウハウの賜物か、今回はかなりうまくいっている様子。大水槽の前に置かれた水槽には、多くの稚魚が泳いでいた。
まだ10㎝にも満たない小さな稚魚たちだが、ここまで来ればひと安心、と言ったところだろうか。
アムールチョウザメは観賞魚として流通する機会が少ないため、このサイズのものを見ることはなかなかなく、新鮮に見える。
しかし、思いの外奇形、とりわけ矮小(ショートボディ)個体が多いのが気になった。
これも人工孵化による弊害だったりするのだろうか? 興味は尽きない。

もっとも、多少形が歪でも、将来的な採卵や食用にするには、問題はないのだけれど。
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