むつごろう水族館の気になる魚：ミストラルの水族館ブログ：SSブログ

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むつごろう水族館の気になる魚　[海の魚] [編集]

むつごろう水族館は、小さいとは聞いていたものの、実は行くのを楽しみにしていた水族館だった。
その理由はもちろん、ムツゴロウを始めとする有明海の魚たちだ。
それらの魚、例えばムツゴロウなんかは有名なので、各地の水族館でも見ることができる。
だが、その地元で、その展示に特化した水族館である。
きっと、それまでオレが知らなかった魅力に気付けたり、余所の水族館ではあまり見掛けない生き物を見られるんじゃないか？　そんな期待があったからだ。

この水族館メインの大水槽たる干潟水槽を期待しつつ覗き込む。
そこにはムツゴロウやトビハゼがいるが、まず、ムツゴロウの想像以上の綺麗さに驚かされた。

体色こそ周辺の泥と同じような色をしているものの、その背中には水色のスポットがまばらに入り、よく見ればヒレにも水色が。

ムツゴロウって綺麗じゃん!!
しかも、サイズも考えていた以上にデカイ!!　15㎝ほどはあるだろうか？
初めて見たワケではないはずなのに、すぐに見て分かる部分に驚かされることになった。

だが、そのムツゴロウ、かなり臆病、というか神経質なようで、水槽の周辺ではソッと動かないと、すぐに水の中へ逃げ込んでしまう。
もちろん、その水は泥水だから、見えなくなってしまうのだ。
ムツゴロウの半分ほどの大きさしかないトビハゼが、周囲をほとんど気にしていないのと比べると、少々観察がしにくい。
だが、その反面、縄張り意識は強いのか、上陸した個体は近くに他の個体が近づくと、すぐに喧嘩が始まる。

でも、その瞬間こそがムツゴロウのもっともカッコいい姿だと思う。
あまりに一瞬すぎて、この瞬間を写真に収めるには、かなり粘る必要があった。
水槽の近くで待っていれば、こんな瞬間はしばしば見られるのだけど、アッ!!　と思ってカメラを構えても、その頃には終わってしまうので、なかなかその姿を写真に収められない。

でも、陸上ではきわめて好戦的なのに、水中では仲良し、というか、陸上ではあり得ないほど近づいても気にならなくなるらしい。

有明海の魚で、ムツゴロウと並ぶスター？　と言えば、やはりワラスボだろう。
オレもこの水族館で見るのを楽しみにしていた魚だ。

だが、ムツゴロウほど感動しなかったのは、やはりその展示方法故、だろうか？
フロアの端に置かれた水槽にいたんだけど、パッと見はトビハゼがまばらにいる水槽にしか見えない。
水槽内にいくつか置かれたシェルターの下を覗き込むと、そこに寄り集まって潜んでいた。
う～ん、見にくい。

本来、泥に潜って生活している魚だけに、干潟水槽では絶対に見えなくなってしまう。
でも、だかと言って、見やすいように展示すると、すぐに死んでしまったりするのだろうから、ギリギリの折衷案と言ったところなのだろう。
ワラスボをそれらしく見せる展示手法…　水族館にとっては、今後の課題のひとつ、と言ったところ、なのかな!?

見にくいワラスボに対して、見やすく、かつ想像以上に印象がよかったのがヤマノカミ。

日本では有明海に注ぐ河川にしか生息していない珍しい淡水カジカの1種で、この水族館ならではと言っていい魚だ。
せっかくだからよく見てみようと、水槽に顔を近づけてみる。
動き回らないから写真も撮りやすい（笑）

水槽の外の動きが気になるのか、何匹かが集まってきた。
よく見れば色、柄も綺麗で、赤く彩られた鰓蓋の縁も目を引く。
最初、場所が場所だけに、傷でもあるのかと心配になったが、すべての個体に同様の色が入っていたから、そういうものなのだろう。でも、それもなかなか綺麗なんだけどね。

珍しいものではあるのだけど、それ以上に綺麗で可愛く、この水族館でのお気に入りとなった。
ムツゴロウほど動きに派手さはないけれど、行った際にはお見逃しのないよう…