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深海ザメの話 [サメ]

先日のNHKの放送がきっかけで大ブレイク? したダイオウイカ。
ちょっとしたブームに気をよくしたのか、深海プログラムの第二弾とも言うべき「深海ザメ」が7月28日に放送された。
見た人も少なくないのではないかな?

前回のダイオウイカの時は、視聴環境の問題で見ることはできなかったこともあり、「ダイオウイカなんて、デカいイカだろ?」なんて嘯いていたのだけど、サメ、それもミツクリザメやらメガマウスが登場するらしい、なんて耳にしてしまったら、それをそのまま聞かなかったことにはできないよね。
でも、ウチでは見られないのである。
どうしたものかと思っていたら、故障をきっかけに買い換えた新しい携帯電話では、どうやら見られるらしい。お陰で今回は部分的にではなく、ちゃんと見ることができた。何かと不自由だった新しい携帯だけど、買い換えて初めて良かったと思えたよ(笑)

さて、深海ザメである。
番組で紹介されていたように、日本の周辺には、駿河湾や相模湾、そして熊野灘沖など、深海ザメが生息する環境が比較的身近にあることから、それらが捕獲されたりする機会も多く、場合によっては水族館に生きて搬入されることもある。
お陰でオレも、ミツクリザメを始め、ラブカやオオワニザメ、オロシザメ、ヨロイザメなどを見ることができた。
中でもミツクリザメは、見に行くことに特に注力していることもあるけれど、生きて泳ぐ姿を5回も見ることができているのは、我ながら驚きでもある。
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オロシザメ 2011 伊豆三津シーパラダイス
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ヨロイザメ 2013 竹島水族館

とは言え、水族館に搬入されたミツクリザメは、大抵1~2日で死んでしまうことが普通で、オレがこれまで見てきたものも、命の炎が消えかかっているような、とでも言うのか、実に弱々しいものばかりだった。
そのため、どこか儚いもの、みたいなイメージが強く、ゴブリンなんて呼び名がまるでしっくり来ない、ずっとそう感じてた。
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しかし、日曜日の放送で見たものは、オレのそんなイメージを覆した。
海底での泳ぎこそ、あまり力強さを感じさせるものではなかったけれど、索餌、そして捕食シーンは、オレの知らない姿だったからだ。
目の前のアコウダイ? に噛みつき、カスザメの捕食シーンを連想させる、一気に丸飲みにしていく摂餌スタイルは、オレの想像とは違っていて、とりわけ正面からの映像は、“ゴブリン”の呼び名も相応しいかも? なんて思うほどの迫力だった。
噛みついた尾から、呑み込むまで、逃してなるまい!! みたいな必死さも感じられて、弱々しいイメージのミツクリザメにも、豪快な捕食者としての一面があることを知った。
それが見られただけでも、あの番組の価値は大いにあったと言うものだ。
できれば、それを目の前で見てみたいけれど、あれが水族館で見られるようになるには、まだまだ多くの課題があるんだろうなぁ。
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八景島シーパラダイスで撮影

余談ながら、ミツクリザメの特徴みたいに言われている飛び出す口。
多少の差はあれ、サメなら多くの種類で捕食時には口(というか歯茎)が飛び出す。
ミツクリザメでは、他の種類よりも長く、より前方まで飛び出すようになっているけれど、例えば、捕食中のホオジロザメの写真でも検索してみて欲しい。歯の回りに剥き出しになったピンク色の歯茎が、ミツクリザメの飛び出している部分に当たる。

番組ではミツクリ、ラブカと並ぶ、深海ザメのスーパースター、メガマウスも多くの時間が割かれ、紹介されていた。
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油壺マリンパークで展示中の標本

標本や剥製はオレも何度も見たことがあるものの、やはり泳ぐ姿というのはそれらとはまるで印象が違っているものなのだね。
口を閉じた状態の頭(標本は大抵、口が全開)は、イメージよりも小さい感じだったし、何より体つきのゴツさ、中でも特に、尾柄部の太さが強く印象に残った。

摂餌シーンとされた場面は、実際には食べていなかったと思う。
でも、同じプランクトンフィーダーでも、ジンベエザメよりマンタに近い摂餌スタイルなんだろうな!? ということを想像するには十分すぎる映像だった。
恐らく、本来はあの大きな口を全開にして、餌動物の群れに突っ込んでいくんだろうね。

そんな泳ぐメガマウスを見て思ったのが“飼えそうじゃない!?” ということ。
表層付近まで上がってくるなら、少なくともラブカやミツクリザメより飼いやすいのでは? なんて思ってしまうのだけど…
生きたメガマウスが展示されたら、ジンベエザメなんかよりはるかに凄いことは間違いない!!
輸送ができそうな2m程度の個体が捕獲されれば、水族館での展示も夢ではないのかも!? 映像を見ながら、そんな束の間の夢を見られた。
まだ50例ほどしか捕獲例がない激レア種だっていうのにね(笑)


それからカグラザメ。
深海ザメの3大スーパースターに続く4番目の存在になれるんじゃない? なんて思うのだ。
深海を紹介する映像にはほぼ必ず登場するし、特徴的な形といい、その巨大さといい、スター性? も十分。
そんなカグラザメも、今年の初めだったか、沼津港深海水族館に生きて搬入されたものの、近そうで遠い沼津までの距離感の前に「そんなに好きな種類じゃないから…」を言い訳に、行かなかったことを今になって後悔してる。
生きた姿が見られる機会なんて、この先再びあるのかは分からないというのに…

それにしても、映像などで紹介されるものはどれも3mオーバー。
産まれたときは小さいはずだと思うんだけど、小さい個体はどこにいるんだろう?
水族館での飼育、展示は難しそうだけど、これもまた小さい個体が見つかれば、その可能性も少しは高まるような気がするんだけど…

現在、知られているサメは約560種類。その大半は深海棲だと言われている。
つまり、まだまだ見たことない種類なんていくらでもいるということだ。
その中で見てみたいのは、前回のダイオウイカ編に登場したバケアオザメ。
いや、バケてなくていいから、アオザメは是非とも見てみたい!!
ヨシキリザメ、ホオジロザメ、アオザメは死ぬまでに見てみたい、オレの3大憧れ生物なのだ。

って、最後の最後で深海ザメじゃないじゃーん!!
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コメント 2

ずぅ

サメもクラゲのイカって・・・
海の生物は本当に面白いですね☆
シンカイザメもブームになるでしょうか・・・

ponに出演していたんですね。
気づけば見ていたのに。。。。(^_^;)
by ずぅ (2013-08-04 20:46) 

ミストラル

>ずぅさん

PON! に出させてもらいました。
告知ができなかったのが残念ですが、ありがとうございます。
この先、再び同じような機会が訪れましたら、
その時は是非、よろしくお願いします。

最近の深海生物ブームは驚くばかりですが、深海ザメはどうでしょう?
一部のスターは人気になるかも分かりませんが…
by ミストラル (2013-08-06 23:50) 

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