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夏なのに!? 夏だから? 深海が熱い [海の魚]

ひょんなことから、上野の科学博物館に行くことになり、開催中の特別展「深海」を見てきた。
行ったのは平日だったにも関わらず、会場内はかなりの混雑ぶり。人気の展示物やパネルの前には常に人だかりが絶えず、展示順路に沿って長い行列が続いているような感じ。見学に来ているのはほとんど大人ばかりで、そのせいかひとつひとつの展示をじっくりしっかり見て回る。そのため、その行列はなかなか進んでいかない(笑)
なお、この深海展、撮影はOKだが、それをブログなどに載せるのは許可が必要とのこと。
TVの取材は入っているのに…!? と思いつつ、写真は撮らなかった。
だから、今回のブログに掲載している写真は、すべて余所の水族館で撮ったものだ。

それにしても、最近の深海ブーム? はちょっとした驚きだ。
今回のこの深海展もそうだけど、書店に行けば深海や深海生物の本が沢山並んでる。
TwitterのTLがイカで埋め尽くされたNHKのダイオウイカの番組の影響だろうか?
ブームというのはそういうものなんだろうけど、何だか凄いなぁ、と。

でも、オレからすれば、何で今? みたいな思いもある。
水族館で生きた深海生物を見るには、今時期はオフシーズンだからだ。
深海の漁期から外れている今時期は、新たな搬入がない。
常設展示を行っている水族館もあるけれど、珍しいものや、まだ見ぬ珍種が登場する可能性は低い。
でも、世間は深海ブーム… うまくいかないものですなぁ(笑)

科学博物館は、なんと35年ぶりくらいの訪問。
展示はどれも綺麗で、洗練されている。深海展の展示も、期間限定のイベントながら、科学博物館らしさを感じさせるとても綺麗な展示だった。
とは言えオレは、横須賀のJAMSTEC(海洋研究開発機構)で今回の展示と同様のものを見たり、話を聞いたり、標本展示も各地の水族館で似たようなものや、中には生きた姿さえ見たことがある。展示は興味深いし、面白かったけれど、個人的な新発見はあまり多くなかった。
でも、そんな経験をしていない人からすれば、とても興味深く楽しめる特別展だと思う。

収穫だったのは、マッコウクジラの大きな四角い頭の構造が分かったこと。ダイオウイカコーナーに実物大の頭部模型が展示されていたんだけど、骨格標本を見る度に思っていた疑問が解消した。
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※沖縄美ら海水族館・美ら海プラザで撮影

また、もっとも混雑していた深海生物の標本コーナーでは、ビンに入った標本がフロアを取り囲むように陳列され、数多くの深海生物(の標本)が展示されていた。
科学博物館で展示されるくらいだから、由緒正しい標本なのだろうけど、色も飛び、形も崩れかかったそれらの液漬け標本というのは、オレにはどうも魅力的には思えない。
それらの内のいくつかは、生きた姿を見たことがあるのも影響しているのかも知れないけれど。
そんな深海生物を生きた状態で見たという事実は、オレの自慢でもある。
本来、標本でしか見られないような生き物のはずなのに…
日本の水族館は本当に凄い!! 沢山並んだ標本ビンを眺めつつ、そんな感動を憶えた。
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トリカジカ。沼津港深海水族館で撮影。標本にはこの美しさはない。

先にも書いた通り、深海生物の生きた姿を見るには、今時期はベストじゃない。
珍しいものが見たければ、11月末頃まで期待しながら待つしかないが、見たいのは今だよ!! という人に、深海生物を見るのにオススメの水族館をいくつか紹介しておこう。

沖縄美ら海水族館(沖縄)
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美ら海水族館と言えばジンベエザメの泳ぐ黒潮大水槽だが、深海生物展示も多分、日本でもっとも規模が大きく、深海コーナーだけで小規模水族館並みのボリュームがある。
ここでしか見られない珍品も多く、また、深場の魚類の展示が充実しているのもここならでは。
順路最後が深海コーナーで、その前に黒潮大水槽があるせいか、ほとんどの人はそこで満足してしまっていて、真っ暗な深海コーナーは素通りに近い形で通り過ぎていく人が多い。
つまり、空いてる。混雑していても、じっくり見られることが多い。
科学博物館のイベントで展示されていたものより大きなダイオウイカの標本も展示されている。

新江ノ島水族館(神奈川)
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巨大な水槽はないものの、熱水噴出口周辺にしかいない、ハオリムシの仲間やゴエモンコシオリエビなど、とんでもない生き物が展示されている。
真っ赤なライトで照らされた水槽は見にくく、また、それらの生き物たちも動かないので、感動は薄いかも知れないけれど、世界中でエノスイでしか見られない超絶とんでもない展示なのは間違いない!!

葛西臨海水族園(東京)

見られる深海生物は、割と一般的なものが中心ながら、シーズンオフの夏場でもあれだけ見られるのは貴重だ。
特にオススメは最近、大人気のダイオウグソクムシ。魚名板の名前はダイオウグソクムシではなく、ジャイアントアイソポッドと書いてあるため、その存在に気付く人が少ないらしく、水槽の前が空いている。じっくり眺めたい人にはピッタリだ。
ただし、1日水槽の前で眺めていたとしても、動かないと思うけど…
なお、葛西臨海水族園は、ミツクリザメの飼育記録(2週間)ホルダーでもある。

竹島水族館(愛知)
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深海生物と言えばここである!! 今時期でもタカアシガニがいる水槽など、一部水槽は残るものの、小窓水槽やタッチングプール「さわりんプール」は深海仕様から、身近なものへと変更されてしまう。
だが、シーズン中には、激レア深海生物が次々と運び込まれるため、深海展でビン詰め標本だったものの生きた姿に出会える可能性も。
生きたタカアシガニに触れてしまうのは、多分、ここだけじゃないだろうか?

沼津港深海水族館(静岡)

館名に深海と付くように、深海がテーマの水族館だ。昨年末、ラブカの搬入で注目を集めた。やはり冬場がメインだが、駿河湾からの珍しい深海生物が搬入される。とりわけメンダコと深海ザメに強いようで、ラブカ以外にヘラツノザメやカグラザメなども展示された。
ただし、今時期は展示の深海度が低く、これからの時期はウデムシとか変なナメクジなど奇虫をメインで行くらしい。深海どころか、水中生物ですらないのに…

他にも、越前松島水族館や鴨川シーワールド、アクアワールド大洗などで深海生物の水槽があり、何かしら見られるはずだ。

なお、科学博物館の深海展は10月6日まで開催されているので、余裕がある人は秋になってからの方が空いているかも?
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