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京都大学白浜水族館(和歌山) [水族館インプレッション]

白浜の2日目は、白浜水族館に行った。
この水族館は、京都大学の臨海研究所の付属施設で、75年もの歴史を持つ水族館だ。
現在の水族館は増築と改修を繰り返し、今に至っているが、どことなく漂うレトロな雰囲気が歴史を感じさせる。
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展示も特徴的で、その他の水族館とはかなり異なる独特なテイストがある。
きっと、研究施設の付属だからなのだろうけど、魚や無脊椎動物が入った汽車窓タイプの水槽が並んだ館内の雰囲気は、水のある空間を楽しむというより、魚や無脊椎動物をしっかり見たい!! という人に向いているという印象で、アミューズメント施設らしい魅力は少ない。
しかし、すべての展示をしっかり見ると、図鑑を見たような気分になっているはずだ。
つまり、そういう水族館なのだ。
実際、オレも今まで気づかなかったようなよく似た魚の差(メジナとクロメジナの違いなど)に気づくことができた。

この水族館の展示をもっとも象徴しているのが、第2水槽室の水槽郡だ。
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中央にある多角形の水槽を取り囲むように汽車窓タイプの水槽が並んでいる。
それぞれの水槽には、カニだけ、巻き貝だけと言ったように、分類学上、近いものだけでまとめられている。中には、ヒトデだけ、ナマコだけ、イソギンチャクだけ、なんていう信じられないような展示水槽もあった。
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ウニだけ水槽

どれだけ沢山入っていても、どれだけ珍しい種類が入っていたとしても、中の生き物たちはどれも、基本的には動かない。それをじっくり眺めようなんていう人は、研究者でもなければ、一部のマニアだけだろう。
それをフロアすべての水槽でやってしまうなんて… 収益を上げることが目的の水族館ではないんだろうけど、この水族館、スゲェ!! 正直、驚いた。

充実の無脊椎動物は、白浜周辺で見られるものを中心に数多くの種類、グループが展示されている。
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ヒトデだけ水槽にいたコブヒトデモドキ。稀種なのだとか。

残念ながら、門外漢のオレには、それがどれだけ珍しいのか、今ひとつありがたがれないのだけど、いつもなら水槽の脇役だったりするこれらが、専用に水槽が与えられ、主役として展示されているとなると、やはりじっくり見るもので、どこかで見たことがあるような種類の思わぬ綺麗さに気付いたり、なんてことも。

無脊椎に興味がなくても、魚が好きならちゃんと楽しめる。沢山いるからね。
とは言っても、入ってすぐの240tの水槽の他に、大きな水槽はなく、従って大型のサメやエイなどはいないし、淡水魚もいない。
無脊椎同様、魚も近いグループごとにひとつにまとめられているものが多いが、無脊椎の水槽ほど大きな括りではなく、目や科ごとに分けられている。
例えば、マダイが泳ぐ水槽ではスズキ目マダイ科、フエフキダイ科、コショウダイ科、フエダイ科の4科の魚類が入っていて、似たような形をした魚ばかりがひしめいている。
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魚名板も簡単なものながら、水槽に入っている魚は大抵網羅されており、一般の水族館よりしっかりしている印象。プレートを見ながら、似たような魚を見分け、それぞれの違いを見つける、なんてことができるのだ。
オレも知らない魚は、図鑑やwebで調べたりするが、そのどれよりも明快だ。何しろ、目の前に実物がいるのだからね。
よく見知った種類だと思っていた魚が、実はよく似た別種だったり、前にも書いた、そっくりな種類の見分け方が発見できたりと、これが意外と楽しい。

旧い水族館ということもあり、水槽はさほど大きくなく、恐らく、設備も旧式なのだろうと思われる。
そのためか、魚たちは驚くほど綺麗、とはいかないようで、種類に関わらず、眼に傷みがある個体が少なくなかったのが少々気になった。

ただ、先にも書いたように、魚の種類数はとても多い。
フラッシュの使用に制限もないため、気になる魚や無脊椎動物をしっかり観察し、写真に撮って、後でその写真を見ながら調べたり、なんていうのがこの水族館の正しい楽しみ方のような気がする。

何しろ、研究所付属の施設なのだから、それっぽい利用の仕方がやはりしっくりくるのだ。
ちょっと(かなり?)行きにくいのが難点だが、魚や無脊椎動物を見たい、調べたい、なんていう人には最適な水族館だと思う。
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