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内田詮三氏に聞いたオオメジロザメ伝説@沖縄美ら海水族館 [サメ]

沖縄から戻ってから、まだ寒い東京に拒否反応が出たのか、風邪をひいてしまい、加えてそのあたりは予定が詰まっていて、バタバタしていたのに体調不良が加わって、なかなかブログの更新にまで手が回らなかった。
というワケで、久しぶりの更新。
もう3週間も前の話になるんだけど、またまた沖縄の話。

昨年の10月、東京で美ら海水族館の名誉館長である内田詮三氏の講演に行ってきたというのは、このブログでも書いた通り。
その時は開始時刻に間に合わず、もっとも聞きたかったサメの話は少ししか聞けなかった反面、聞くことのできた鯨類の話がとても興味深かったことで、サメの話が聞けなかったことが余計に残念に感じていた。
講演終了後、内田さんに最初から話を聞けなかったことを伝え、今後、こうした講演の予定はないものかと聞いてみた。
すると「旅行社主催でやりますよ。参加者の人を水族館のバックヤードに案内したりもしますよ」とのこと。とは言え、内田さんの言う水族館とは、もちろん美ら海水族館のことである。「じゃあ次はそこに参加しますね」とは簡単に言えなかった。

しかし、成田発のLCCを使えば、沖縄も新幹線で名古屋に行くより格安で行けてしまう。寒いのにもうんざりしていたし、行っちゃうか!? なんて思ってた所に、内田さんが話されていた、旅行社主催の講演会を発見。主催の旅行社に聞いてみると、その旅行社のツアーなどを利用しなくても、講演会だけ参加することも可能とのことだったので、申し込むことにした。

講演会の会場は、普段は休憩スペースとして使われているレストラン横のイベントホール。参加者は、昨年参加したものに比べると大幅に少なくて、オレを含めて15人くらい。
旅行社主催のイベントだけに、団体ツアーの一環として参加していた人が多いようだった。参加者は大人のみで、男はオレを含め2人だけ。オバサンになると水族館が深く知りたくなる人が多いのだろうか?

講演の内容は水族館についてというよりも、サメについてだった。
オレにとっては願ったり叶ったりと言ったところだが、イベントの参加者は団体ツアーで美ら海水族館に来る人がメイン。つまり、そういう人でも分かり、かつ興味を引かれるような話題が中心。昨年の東京での講演や、内田さんの著書などを見聞きしていることもあって、初めて聞くような話題はあまり多くなかった。
じゃあつまらなかったのかと言われれば、そんなことはなくて、テーブルの上にカメラを置いてあったというのに、結局、1枚も写真を撮ることもなく、気付けばすべてのプログラムが終了してた。我ながら、これだけの集中力を学校に行ってた時代に発揮できてりゃ、もっと違った人生があったかも!? なんて思ったり。

一般の人が考えるサメのイメージと言えば、やはり“人喰い”だろう。
話の入り口もそこからだったが、具体的なデータを提示しつつ、サメによる人への攻撃、被害が、実はものすごく少ないことや、人を好んで食べるサメはいないことなどが説明された。そうした話に度々登場するのが、内田さんをして“人への襲撃率がもっとも高い”というオオメジロザメだ。
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水族館では35年前に捕獲された個体が今でも飼育されており、子、孫と代を重ねているが、このオオメジロザメ、水族館でも数々の伝説? を残している。

現在は危険ザメの水槽でサメ類のみで飼育、展示がなされているが、旧水族館時代は現在の黒潮大水槽の前身に当たる黒潮槽という大水槽で飼育されていたらしい。
そこには、ジンベエザメを始め、ナンヨウマンタなど、現在の大水槽の構成メンバーも収容されていたが、オオメジロはとにかくそれらを襲いまくったのだそうだ。
ジンベエザメ以外はすべての魚種が喰われているそうで、大きなロウニンアジにかぶりつく写真や、囓られて死んだマンタの写真などが披露された。
サメの口の形に噛み破られたマンタの死骸の写真を見ながら、「マンタも4匹くらいやられちゃってるんですよ。勿体ないですよねぇ…」と内田さん。
過去の話なのに、当時の残念さが蘇るのか、今なお勿体ないという言葉が出てしまうあたりが、何だかおかしかった(笑)
余談ながら、繁殖に成功しているペアのオス個体は、ヒレの先端が欠けているが、それもオオメジロに食いちぎられたものらしい。
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オレの知っているオオメジロと言えば、水槽の中をゆっくり泳いでいる姿だけ。だから、人への襲撃率がNo.1であるとか、混泳魚を片っ端から襲って食べるなんて聞いても、イメージしにくかったりしていたのだけど、その強烈さを見てきた人の口からそれを聞かされると、やっぱりスゲェ魚なんだなぁ、とあらためて思わされる。

オオメジロの他にも、旧水族館では様々なサメの飼育、展示に挑戦していたそうだが、水槽の中を泳ぐアオザメやヨゴレ、ハチワレ(ハビレに喰われているシーンだったけど)なんかの写真にはシビれさせられた。これらはサメの危険性についての話の中で例として登場したものだったんだけど、特に見てみたい種類が水槽を泳ぐ様子は、やはりたまらないものがあった。この先、それらを再び水槽内で目にする可能性は低そうなだけに、そんな瞬間に立ち会いたかったなぁ、と。
旧水族館には行ったことがないのだけど、今にして思えば、無理してでも行っておくべきだったなぁ、とちょっぴり後悔。

サメの話は、危険性に続いて、繁殖生態についても説明された。
前のブログで書いたジンベエザメの繁殖についての話も、一部はそこで話されたものだ。
危険性、繁殖と急ぎ足で続く話はこの辺りで40分。するとそこで、「では、そろそろ…」と終わってしまった。
ええっ!! もう終わり!? と驚いていたら、司会の人が「この後、内田元館長にバックヤードを案内していただきます」とのこと。
退いたとは言え、水族館の最高の地位にあった人が案内してくれるバックヤードツアーである。どこに連れて行ってもらえるんだろうと期待しながら、内田さんや案内スタッフの後をついていった。

そして大水槽横の搬入口へ到着。
目の前には危険ザメ水槽が見える場所へと案内された。
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そこで水槽上のクレーンの説明を受け、さぁ、これから、と気合いを入れ直した所、行けるのはここまでです、との注意が。
目の前には危険ザメの水槽がある場所まで来て、まさか搬入口でお終いとは…
大水槽を上から見られる黒潮探検ではよく見えない危険ザメ水槽を上から眺めたり、大水槽のすぐ脇を歩けるチャンスかと思っていたのに、期待が大きかった分、この多大な肩すかしは何とも残念な気分。

そんなこんなで、とっても慌ただしい約1時間だったんだけど、今回の沖縄行きの中では、一大イベントだったことは確か。
話を聞いてあらためて思ったのは、オレはやっぱりサメが好きだってこと。
自分でサメを扱うことができない分、こうした話をもっと聞いてみたい。
内田さんの話も含め、今後もこんな話を聞ける機会を積極的に探っていきたいと思う。
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コメント 2

ポン

始めまして。最近めnち氏やにっしー氏のブログに出没している者です。こないだの水族館ナイト良かったですよ。ミストラルさんの素顔も見られましたし。ブログ楽しんでいます。大変でしょうが、更新頑張ってください。
by ポン (2013-03-19 07:20) 

ミストラル

>ボンさん

ようこそ。

水族館ナイトには来てくれてたんですか?
だとしたら、それはありがとうございました。
水族館ナイトにはにっし~氏も来てましたよ。
ブログも見てもらっているようで、どうもありがとうございます。

頑張って更新しますので、今後ともよろしくお願いします。
by ミストラル (2013-03-20 00:18) 

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