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真冬の北海道の水族館その1・おたる水族館 [水族館インプレッション]

北海道水族館ツアー最終日は、おたる水族館と千歳サケのふるさと館のハシゴという、ある意味強烈なメニュー。
おたる水族館では開館から閉館までいるのが当たり前だから、たった3時間ほどしかいられないというスケジュールがちょっぴり不満だったのだけど、時間がないと分かれば、逆に見るべき所を集中して見るようになるもので、短時間の滞在の割に、大きな満足感を得ることができた。

おたる水族館に来るのは昨年9月末以来、約4ヶ月ぶりなので、水槽や展示に劇的な変化はなかったものの、真冬は初めて。
前のブログでも書いたけれど、雪の中の水族館は、見知らぬ場所に来たような感覚。
雪が深く積もることは聞いていたけれど、聞くと見るとではやはり大違い。ここでもまた“冬の北海道の水族館ならでは”に遭遇できた。

急ぎ足で館内を回ろうにも、やはり好きな水槽の前では足が止まってしまう。
分厚いオヒョウが泳ぐ回遊水槽を眺めていたら、おたる水族館に来るのが初めてだというツアー参加者が来たので、この水槽のオレのオススメポイントをいくつか紹介したら、「この水槽、たまんないっすね~」と喜んでもらえた。
別にオレが何かをしたワケではないんだけど、何だか鼻高々な気分に(笑)
そう、おたる水族館の北の海の展示は、たまらないのである!!

お気に入りの海獣公園が、冬場は高波や路面の凍結、大雪などの影響で閉鎖されてしまうのが残念だが、冬場ならではのイベントとして、イルカショープール横の広場でジェンツーペンギンの散歩が行われている。
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これより離陸します!!

ペンギンとの距離感は驚きだった。
手を伸ばせば、いや、伸ばさなくても届く所をペンギンたちが歩いていくのだ。小脇に抱えて逃げ去るには、ジェンツーペンギンはちょっと大きいけれど(笑)、ペンギン好きならそんな過ちを犯してしまいそうになりはしないかと心配になるくらい。
でも、ペンギンの息づかいが聞こえてきそうな近さは誰にとっても超スペシャルな体験なはず。しかもそれが、普段ならガラスの向こうにいるはずのジェンツーペンギンなのだから、それだけでも真冬の小樽に行く価値があるというものだ。

真冬の小樽ならではの凄い体験は、その後も続いた。
時間に余裕がないから、ペンギンの散歩の後、早めのランチにしようとレストランに入ったのだけど、そこの窓から見える海に、何と野生のトドを発見!!
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オレが発見したワケではないんだけど、同じツアーの参加者が窓にかじりつくように何かを見ていたから、何がいるんだろうと外を見てみたら、海を泳ぐトドの姿が。
トドなんて、それこそ海獣公園に沢山いるんだけど、飼育下にあるものと野生個体とでは、やはり違うものだ。
これもまた、見られることがあると聞いてはいたけれど、実際にそれを目の当たりにすると、驚きやら感動やらで、昼食は味どころか、食べたのも忘れてしまったほど。
最近は海獣公園周辺で見られる野生のトドも少なくなっているらしく、本当にラッキーとのこと。
泳いでいるトドは盛んに海獣公園を覗き込もうとしているように見えたけれど、中から同類の声が聞こえるためか、それに誘われるように寄ってくるらしい。

大興奮のランチタイムの後、再び館内をフラフラしてたら、中村さんが非番のスタッフ氏の案内で海獣公園を見に行くというのに遭遇。そこで強く断られなかったことをいいことに、無理を言って(無理矢理?)同行させてもらった。
やはり、おたる水族館に行ったら、海獣公園には行かなくちゃね。

雪で覆われた急坂をビビリながら下まで行くと、そこは深い雪に覆われた別世界。
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雪化粧の海獣公園は、まさにこの時期ならではの美しさ。それだけで十分感動できる光景がそこにはあった。
アザラシやトドのショーはないし、餌やりもできないけれど、北海道の冬を知らない道外の者からすれば、白い海獣公園は十分にエキゾチックで感動できる場所だった。
幸運なことに、その日は天気も海も穏やかで、危険を感じることは一瞬たりともなかったけれど、飼育スタッフ氏によれば、耳がちぎれそうになるほどの冷たい強風や、命の危険を感じるような大波が押し寄せる日もあるのだとか。
そんな様子も見てみたいような気もするけれど、不慣れな東京者にはやはりハードルが高いかな!?
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冬期閉鎖中は餌の時間以外、人がやってこないため、アザラシやトドたちもプールへ近づくと、何事かと一斉に近寄ってきてくれるし、普段から愛想のいいセイウチのウチオくんは、牙をアクリルにぶつけてアピールしてくる。

タイミングよく、トドのトレーニングにも遭遇したが、人には寒いこの時期は、彼らには過ごしやすい気候らしく、見た目にも楽しそうに見えるほど絶好調とのこと。
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プールの周辺も雪に覆われていて、見た目にもすごく寒そうなんだけど、その中を、海獣たちは楽しそうに泳いでる。
そんな様子を見ていると、こういう世界に暮らす生き物なんだなぁ、と、文字通り、肌で実感できる。もちろん、その数十分前に、そこを泳ぐ野生のトドを見たことも影響しているんだろうけど、冬の海獣公園はそこにいる海獣たちの魅力や、本来の能力みたいなものを、雪がない時期よりも簡単に、そして強烈に実感できる。それもまた、寒い今時期だからこそ、である。

しかし、冬場の海獣公園は閉鎖されており、観客は行くことができない。
オレは偶然かつ幸運にも行くことができたが、ものすごくもったいないなぁ、と。
もちろん、危険が伴う所もあるから、いつでも誰でもは無理なのかも知れないけれど、条件付きでも行けるようになればいいのに、と思う。
冬の北海道を知る人には、オレが得たような感動は味わえないかも知れない。でも、冷たい海に暮らすアザラシやトドたちの凄さを、簡単かつ安全に体感するにはこれ以上ない場所だと思う。

冬じゃない時期に行っても魅力的な水族館なんだけど、冬はその凄さがより際立つ感じ。
沖縄美ら海水族館は、沖縄の海の魅力を紹介することで、日本一の集客数を集めているが、北海道の海を紹介しているおたる水族館も、やり方次第で十分それに対抗し得るはず!!
冬のおたる水族館には、そんな風に思わせるほどの魅力と凄さがあった。
道外の者には凄まじく見える小樽の雪の多さも必見。冬以外の時期に行ったことがある人にこそ見てみて欲しい、真冬のおたる水族館だった。
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