中村元と行く凍る北の水族館ツアー

タイトルもズバリ、冬の北海道の水族館を見に行きましょう!!　というツアーが、水族館プロデューサー中村元氏の主催で開催された。スケジュールは1月19～21日の2泊3日の日程だ。

冬場は、1年の内で水族館がもっとも空くシーズン。
ことさら北海道の冬は雪に閉ざされるため、人々は水族館はおろか、あまり出歩かなくなるらしい。そのため、北海道の水族館は冬場は休業しているところもあるくらいなのだ。
しかし、中村氏は言う。「冬の北海道（の水族館）には、その時、そこでしか見られないものがある」と。
つまり、それを見に行くためのツアーというワケだ。

とは言え、道外に住まう者からすれば、真冬の北海道は未知の世界。当の中村氏も、最初はどれだけ人が集まるか懐疑的な所もあったようだ。人が水族館に行きたくならない時期に、しかも極寒の北海道の水族館である。実を言うとオレも、最初は行くつもりはなかったくらいだ。寒いのは苦手だからね。
ツアーを成立させるには最低人数というものが決まっているらしく、人数が集まらなければ開催できなくなってしまう可能性もあったそうだ。しかし、出発当日の羽田空港には、オレや中村氏を含め、総勢23名が集結。北海道で合流する地元の人を含めると、26人にも達する立派な団体ツアーに。

最初の目的地は、中村氏がプロデュースを手掛けた「おんねゆ温泉 山の水族館」。
最寄りの女満別空港に降り立つと、北見市長を筆頭に、熱烈な歓迎を受け、参加者一同を圧倒。
迎えのバスに乗り込み、目的の水族館に到着してからも、数多くのTVクルーが待ち構えており、ここでも圧倒されてしまった。



おんねゆ温泉 山の水族館は、地元では“第2の旭山動物園”と言われるほどの大成功を収め、注目されているが、それを手掛けた中村氏が、東京からツアー客を引き連れてやって来るとなると、やはり注目を集めるらしい。
インタビューを受けたり、はては記者会見まで行われるなど、絶大な人気ぶり。
しかも、彼の地では「中村さん」なんて呼ぶ人は誰もおらず、すべての人が「先生」と声をかける。水族館再生の立役者であり、地元に多くの観光客を集めたヒーローであることは間違いないけれど、まるで大臣かのような扱いを見ていると、気安く「中村さん」なんて声をかけていいものか、みたいな気分になったほどだ。

おんねゆ温泉 山の水族館には、中村氏の言う「冬の北海道だから見られるもの」がある。
その象徴的存在が「四季の水槽」こと凍る水槽だ。
詳細は次のブログに続けるが、氷の下を泳ぐ魚たちの様子や、氷が張った水面を水中から見上げたりなど、初めての光景を見ることはしっかりできた。
宿泊地でもあった温根湯では、水族館以外にも、中村氏によるトークショーのほか、参加者全員で宴会もあったりと、楽しい夜を過ごさせてもらった。

翌日はペンギンパレードを見るために旭山動物園へ向かうのがメインイベント。
人の多さにオレはペンギンパレードを諦めたのだけど、ユキヒョウやアムールトラなど、雪の中だからこそ際立つ北の動物たちの美しさに触れられたのが個人的に大きな収穫だった。

最終日はおたる水族館と、中村氏がリニューアルを手掛けることになっている千歳サケのふるさと館のハシゴという強行スケジュール。
どちらもオレの大好きな水族館であるため、楽しみにしていたのだけど、小樽の雪の多さにはあらためて驚かされた。
話には聞いていたのだけど、大量の雪は、オレの見知ったおたる水族館とは違う場所のようで、これもまた“冬の北海道でしか見られない景色”なのかなぁ、と納得。

詳細はこの後のブログに続けるが、おたる水族館でも沢山の“スペシャルな冬の光景”を見ることができ、滞在時間はこれまでと比べると短かったものの、ものすごく充実した数時間を過ごすことができた。

そして行程の最後は、千歳サケのふるさと館。
飛行機の時間の関係上、見学時間は1時間ほどと、こちらもごく短い時間しかいられなかったのだけど、千歳川の観察窓では、この時期にはあまり見られないサケの姿も見られるなど、こちらも大満足の1時間。


各種取材対応にトークショー、宴会にバスガイド、そして行程中は添乗員的役割まで担ってくれた中村氏は、千歳に着く頃には疲労が蓄積し、熱まで出ていたらしい。
でも、そんな中村氏のお陰で、我々参加者は存分に楽しませてもらえたワケで、ただただ感謝するのみ。
1からツアーを組み立てるのはかなり大変らしく、もうやりたくないとのことだが、もし、この先、同様のツアーが開催されることがあったなら、参加することをオススメする。
このツアーだからこそできた体験も少なくなかったからね。

また、こういうツアーがなかったとしても、冬の北海道の水族館、最高だった。
この時期の北海道でしか見られない光景は、それを知らない人に大きな感動を与えてくれる。それがまた見たいから、いつかまた、真冬の北海道へ出掛けたいと思う。
もっとも、そんなことが言えるのも、天候に恵まれ、覚悟していたほど寒くなかったことも影響していそうだけど（笑）

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