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琵琶湖博物館の気になる魚 Vol.2 [淡水魚]

関西遠征の最終日は、これまた久しぶりの琵琶湖博物館に行ってきた。
以前行った時は、枯れ葉舞う初冬の頃。博物館の周辺、とりわけ植物園は寂しげな雰囲気に包まれていたけれど、今回は違う。
新緑まぶしい5月末ということもあり、道中の田んぼも青としており、博物館裏の琵琶湖岸にも水生植物が力強く生い茂っていた。寂しげだった植物園も、鬱蒼と植物たちが生い茂り、花が咲き乱れ、以前行ったのと同じ場所とは思えないほどだった。
水族館(水族展示室)の魅力や、その良し悪しには外の気候は影響しないけど、博物館の周辺散策などを楽しむなら、初夏の頃がもっとも気持ちいいんじゃないかな?
ただし、オレが行った日は日射しが強く、植物園から博物館に戻った頃は、ちょっとぐったりしていたけれど。

琵琶湖博物館に行くのは2回目なのだけど、やっぱりいい水族館だねぇ、とあらためて実感。
最初の3つの大型水槽は、琵琶湖の中にいるような濃厚な水中感を味わえるし、その後に登場する展示も充実しているし、何より綺麗。
もっと近くだったらいいのにと、行く度に思うお気に入りの水族館だ。
そこでオレの気になる魚と言えば、やはりチョウザメ… というのは間違いではないんだけど、今回のネタはそれとは別。
そのチョウザメも、自宅で飼うようになったことで理解度が増したのだろうか? 前回は同じようにしか見えなかったバイカルとレイクが、まるで違うものに見えるようになっていたのが個人的に嬉しい発見だった。

でも、今回もっとも気になったというか、そのカッコよさに痺れさせられたのはアオウオだった。

屋外の池に1匹飼われているのだけど、池の縁に立つと、コイの中に真っ黒な大きな魚が2匹。1.2mくらいはあるだろうか? 尖った頭、大きな胸ビレ。上からしか見ることができないけれど、それがアオウオであることはすぐに分かった。
IMG_2571.jpg
先端に向かって細く尖るような頭部は、真っ黒で細長い胴体と相まって、まるで潜水艦。泳ぎ方もゆっくりしていて、体を大きくくねらすことなく潜行、浮上を繰り返していた動き方も潜水艦的。
また、横に大きく突き出た胸ビレは、翼のようで、これまたカッコいいなぁ、と。
錦鯉の愛好家が、自分の池にアオウオを欲しがる人が多いと聞いたことがあるが、このカッコよさと大きさなら、その気持ちも理解できる。
ウチに池はないけれど、オレも欲しくなったからね(笑)

飼われているアオウオは1匹と書いてあるのに、大きな魚が2匹という説明に? と感じた人もいるかも知れない。
実はその2匹の内の1匹はソウギョだったのだ。
IMG_2581.jpg
池を覗き込むと、黒くて大きい細長い魚が2匹見える。
でも、その2匹をよく見ると頭の形が違っていることに気付き、アオウオではなくソウギョであることが分かった。ソウギョの方が頭が丸く、尖ったアオウオほどカッコいい感じはしないのだけど、これはこれでなかなかのカッコよさだ。

横から見れば一目瞭然に違いが分かる両者だが、上からだと色もフォルムもよく似ているから、一瞬、同じものに見えるのだ。
でも、違う魚だからして、しばらく眺めているとちゃんと違うものに見えるようになってくる。
博物館のA展示室に両者の骨格標本が展示されていたのだけど、骨格だと頭部形状の違いがより鮮明で、その違いを非常に分かりやすく納得させてくれる。
池の2匹の違いに気付いたら、A展示室の骨格標本も見てみて欲しい。この骨格標本は常設展示なのかは分からないけれど…


オレが行った5月末頃は、ちょうど魚たちの繁殖シーズンに当たっていたようで、鮮やかな婚姻色を呈したものが多く、その鮮やかさが目を楽しませてくれた。
琵琶湖博物館の水槽も、その他の淡水魚水族館と同様、水槽部分が屋外になっているものが多く、差し込む太陽光が魚たちを鮮やかに照らし出し、より一層綺麗に見せてくれる。
そんな中でもっとも印象が強かったのがヌマムツだ。
IMG_2588.jpg
それまでカワムツA型とされていたタイプで、03年に別種として分けられたもの。
正直、興味がある魚ではなかったから、その両者の違いは分からなかったし、今でもハッキリとは分からない。
でも、琵琶湖博物館では両者が同じ水槽におり、それぞれ婚姻色を呈していたことで、何となく違いが分かった。

カワムツたちのフィンスプレッティングを眺めていると、よく知ったカワムツ色のものと、
黒っぽいものの2タイプがいることに気付き、もしかして、と思ってネームプレートを見てみると、ヌマムツとのこと。
このヌマムツの方が全体的に色が濃いようだ。
婚姻色だったので、両者の違いは分かりやすかったが、そうでない時期でも見分けは付くのだろうか? やはりこれも慣れの問題かな?


琵琶湖博物館なので、琵琶湖らしい魚もひとつ。
琵琶湖と言えば、ビワコオオナマズやハス、ワタカ、ニゴロブナなど、ここが本場だという魚がいくつもいる。もちろん、それらは琵琶湖博物館で展示がなされているんだけど、飼育されているはずなのに、やはり琵琶湖の固有種であるイワトコナマズの姿を見た記憶がない。
順路最初のトンネル水槽にいたらしいのだけど、どこかに隠れてしまっていたのか、まるで印象に残っていなかった。
博物館の2Fからこのトンネル水槽の上部を覗き込める場所があるんだけど、アクリルパネルの前にしゃがみ込み、中を見てみると、正面にイワトコナマズの姿を見つけた。
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“流石は本場!!”と唸ってしまうような、それはそれは立派な個体。
アクリル面に沿ってエアーが立ち上がっているので、見るのはおろか、写真を撮るのは大変だったけれど、撮れるまでチャレンジしたくなるような見事な個体だった。
馴染みの薄さも手伝って、イワトコナマズには小さくて貧弱なイメージがあったのだけど、そんなイメージが覆されたことは言うまでもない。
インパクトという意味では、ビワコオオナマズ以上だったかも!?
とりあえず、日本産ナマズやSilurus属好きにとっては、最高の水族館であることは間違いないはずだ。


最後に外国の魚も1匹。
先にも書いたように、今回は日本の淡水魚たちが鮮やかな婚姻色を見せてくれていたので、普段ならこちらがメインとなりそうな外国の魚たちも、今回ばかりはオマケ的。
それでも、ちゃんと水槽を見て回っていると、トンレサップ湖の水槽で縁からこちらを覗く視線を感じた。
ダトニオだった。
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物陰に隠れるのが好きで、様子をうかがうように上目がちにこちらを見てくる。
大胆な性格の個体なら、隠れずにその姿を見せてくれるのだが、ここの個体はいわゆる、ダトニオらしい性格のようで、待っていても出てきてはくれないだろうと水槽前を後にした。
閉館直前、再びダトニオのいる水槽の前に行ってみると、先ほどが嘘のように、水槽の中央でダンスでも踊るかのように、身をくねらせていた。
上の写真はその時に撮ったものだが、まるでポーズを取るかのように、カメラを向ける度に一瞬、動きを止めて、写真を撮らせてくれた。
ご覧の通り、なかなかの良個体で、写真を撮らせてくれるのも、自分の美しさを知っているから? 魚のノリの良さ? に感化され、メディアの後半はこのダトニオの写真だらけ(笑)
その時がそうだったのか、いつもそうなのかは知らないけれど、琵琶湖博物館でダトニオを撮るなら、閉館間際がいいかも知れません。

ブログを書きつつ写真を見直してみて思う。琵琶湖博物館の魚、ホント、いいねぇ~
博物館としても楽しいから、もっと頻繁に行きたいのだけど、ウチからの遠さが難点だな。
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