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宍道湖自然館ゴビウス(島根) [水族館インプレッション]

日本で2番目に人口が少ない島根県。なのに水族館は2つもある。
人口ひとり当たりの水族館の数はどこよりも多い水族館好きの県なのだ。
そのせいか、2つの施設はどちらも立派。アクアスに行った翌日に宍道湖自然館ゴビウスに行ったのだけど、これまた羨ましくなるくらいいい水族館だった。個人的には、どちらの館でもピラルクーに会えなかったのはちょっぴり残念…かな!?

どこよりも人の多い東京から島根に行くと、考えていた以上に建物が少ないことにまず驚く。
賑やかなイメージのある駅前ですら、本当に何もない。もちろん、アクアスのある浜田や、乗り換えで利用した出雲市駅はその通りではなかったけど、予約していたホテルの最寄り駅の前は泊まるホテルしかなかったほど。お陰でまったく迷うことなくたどり着けたけど。

ゴビウスもまさにそんな感じで、最寄りの湖遊館新駅は田んぼの真ん中にある小さな無人駅。そこから歩いて6~7分くらいかかるので、駅前というワケではないんだけど、乗ってきた電車が目の前を行き過ぎると、目線の先に周辺の景色の中では明らかに場違いな大きな建物が目に入る。
それがゴビウスではないんだけど、周辺にはそのくらいしか建物がないので、「ああ、あそこにあるんだな」ってすぐに分かる。(実際、その大きな建物の隣にある)
初めてで、周辺の地理感がまったくなくても、迷わず行ける。これはきっと、島根ならではのいいところだ(笑)
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ゴビウスは宍道湖と、そこに住まう魚の展示に特化した水族館だ。
考えていた以上に綺麗で立派だったことに驚かされたことは先にも書いた通りだが、その展示内容はストイックのひと言。
淡水魚の水族館というのは、どうしても地味になりがちだ。日本の淡水魚は小さく、色味のないものがほとんどだから、それは仕方がない。
イトウ、アカメ、ビワコオオナマズなんていうスターもいるにはいるが、それがいるのも局所的。だから、淡水魚の水族館は、鮮やかな海の魚を展示していたり、ピラルクーなどの海外スターの力を借りるのが一般的だ。
しかし、ゴビウスは違う。本当に宍道湖とその周辺河川に生息する魚しかいないのだ。
メインの大水槽(というほど大きくないけど)にいるのも、ボラとかコイとかスズキなど。
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海外スターの力を借りず、地元だけで勝負する姿勢は、ストイックと言わず何と言おう!?
しかも上記の国産スター不在の宍道湖で、水族館の看板魚はハゼという潔さ。そもそも、館の名前自体がハゼを意味する“ゴビウス”なのだから、そこからストイックさを表していたというワケだ(笑)

ハゼにフィーチャーした水族館。
実際にはそんなにハゼばかりいるワケではないのだけど、ハゼの仲間は多種多様で、中には綺麗なものや、そこそこ大きなものもいるが、ゴビウスにいるのは、あくまで宍道湖とその周辺河川にいるもののみ。小さくて地味なものしかいない。
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宍道湖の固有種 シンジコハゼ
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ヌマチチブ
でも、我が道を行くばかりで、独り善がりな展示になっている、ということではなくて、その“地味な小魚”たちを見るのが楽しい。特にハゼの仲間を展示した、斜め上から眺めるタイプの水槽は、川の中を覗き込んでるみたいな感じで、小さなハゼを探そうという気にさせてくれる。

東京で暮らしていると、宍道湖なんて名前を知ってるくらいのもので、それがどんな湖で、どんな魚が暮らしているのかなんて、まるで分からないし、知る機会もない。
そんな未知の宍道湖の豊かさや、そこに注ぐ島根の川を知るには、これ以上ない水族館だった。オレ自身、ボラやその仲間をあんなに真剣に見たのは初めてだったような気がするし、小さなドジョウなどの小魚や、ウナギみたいによく見知った魚が、しっかり見るべきスターとして存在しているのだ。
そういえば、島根には数多く生息しているのか? どこよりも沢山のオオサンショウウオがいた。暗い水槽の中で隠れているし、まったく動かないので、心ときめく展示ではないけれど(笑)、それがゴビウス最大級のスターだったかも知れない!?
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小さい魚たちを必死になって眺めてると、すぐに結構な時間が経ってしまっていた。
規模や見られる魚から、行く前は“すぐに見終わっちゃうかも”みたいに思っていたんだけど、実際は半日くらいいたような気がするし。

展示内容は、長い時間を過ごすのも苦痛ではないものなんだけど、注意点がひとつ。
飲食ができないのだ。
水族館の決まりでそうなってるのではなく、館内にはレストランや売店がないから。
先にも書いたように、ゴビウスから駅までの間には、自動販売機があるだけだから、長い時間を過ごすつもりの人は、是非、お弁当か何かを持参することをオススメする!!
水族館に行ってから何か食べればいいや!! と軽い朝食だけで済ませたオレは、結局、夕方まで空腹のまま過ごすハメになってしまったのでね(笑)

水族館の裏手には宍道湖が広がり、周辺は綺麗な公園に整備されているので、天気がよければ、その辺を散策するのも気持ちがよさそうだし、実際、小さな子供連れが多く来ていたから、そんな楽しみ方がされているのだろうと思う。

日本の川や湖に住む小さな魚やカニなどをじっくり観察したくなる。
ゴビウスはそんな水族館だった。
小さい頃に川遊びをした記憶がある人ほど、懐かしい気分も手伝って、より楽しめるのではないだろうか?
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コメント 2

タカ

こんばんは。ミストラルさん!
タカです。実は25日に一泊二日で島根に行ってまいりました。
家族サービスですがアクアスには行ってきましたよ~
寒空の日本海に面する水族館は何とも風情がありますね。
あいにく時間帯が悪くペンギンの散歩や白イルカのショーも
見れませんでしたが個人的に楽しめました!
嫁や子供達はクラゲやサンゴ、ペンギンにキャーキャー言って
ましたが・・・
アムールチョウザメの展示で気付いたのですがチョウザメって
あんなに鰓耙剥き出しなんでしょうか?鰓捲れ!?
三匹とも同じようでしたので・・・

ゴビウス!数年前に私も行きました!
地味だけどマニアックなとこですよね。
宍道湖や中海の塩分濃度の違いやすむ魚の種類の違い等
興味のある内容ばかりでした。
ここに展示されてる鯉とウナギもでかかったですね!
宍道湖で撮れてすっぽんには7kg近いモンスターもいるそうです。
まさにご当地水族館ってとこですよね。
by タカ (2011-12-28 22:57) 

ミストラル

>タカさん

こんにちは。

アクアスのチョウザメはどれも、鰓が飛び出たみたいになってますね。
だから、写真を撮らなかったくらいです。

水族館にいるチョウザメは、国内で養殖されているものの一部ですが、
どうも、そのチョウザメの中に、鰓蓋が短いものが多くみられるようなのです。
種類に限らず見られるので、そういうものなのかも知れませんが、鰓がはみ出たチョウザメは、アクアス以外の水族館でも見られます。

ゴビウスは完璧なご当地水族館でしたね。
ウナギやコイには驚かされました。
7㎏のスッポンは、結構驚けるんでしょうね。
by ミストラル (2011-12-29 12:31) 

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