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サンシャイン水族館のピラルクー水槽 [ピラルクー]

リニューアルオープンまであと2ヶ月くらいの頃だっただろうか。オープンを控えたサンシャイン水族館がピラルクーを探しているという話を聞いた。
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8/8に撮影したもの。口先の傷はほとんど治ってた。

そこで、新水族館でもピラルクーが展示されることを知ったワケだけど、その時の話では、今までより大きな水槽が用意されるらしい、とのことだった。
だから、新水槽へ迎え入れる個体も、少なくとも1mを超えたものが必要なのだと。でも、その時点では、その手配が難航しているという所まででその話は終わった。

ピラルクーは幼魚が毎年輸入されてくるけれど、水族館での展示に向いたある程度以上の大きさのある個体となるとなかなかおらず、必要な時に都合良く手に入るような代物ではない。また、いたとしても、大きい個体は輸送のリスクも高く、生かして運ぶのは簡単じゃないし、生かして運べたとしても、水槽に入れたら数日で死んでしまった、なんてこともよくあるくらい、大きい個体の移動は大変で難しい。

その後も様々な情報が聞こえてきたけれど、オープンが目前に迫った7月末、沖縄から2匹を運ぶことになったらしい。
沖縄からの輸送はフェリーで2日。その話を聞いた時、ものすごく心配になった。
ピラルクーに限らず、大きな魚の輸送には様々なリスクがともなうが、捕獲されるだけでも魚には大きなストレスなのに、狭い容器に2日も押し込まれるのだ。
もし、輸送途中に大暴れでもすれば、輸送容器が壊れてしまうかも知れないし、ピラルクー自体が死んでしまうかも知れない。
生きて届いたとしても、餌を受け付けなかったりするかも、とか、沈んだまま泳がないとか、自分のことでもないのに、やけにドキドキさせられた。
加えて、水槽がまだ完成していないとか、ろ過設備が総入れ替えになったとか、不安になるような情報もいろいろ聞こえてきたので、オープンの日がちょっと怖いような気も…

そして8月1日。内覧会&プレスデー。
入場口を通ったオレが真っ先に向かったのは、言うまでもなくピラルクー水槽だった。
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泳いでる!!
オープン前に聞いていた情報は、どれも気分を曇らせるようなものばかりだったから、当たり前のことなのに、ちょっとホッとしてしまった。
先にも書いたように、沖縄からやってきたという2匹は、口先の傷など移動の痕跡はあるものの、概ね綺麗。
恐らく、沖縄でも見ている可能性の高い(個体識別はしてないけど)個体なので、久しぶり!! また会えて嬉しいよ!! といったところだろうか。
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このピラルクー移送作戦は、サンシャインのスタッフ氏の間でも「プライドをかけてやろう!!」というくらいの一大ミッションだったようだ。
このピラルクーが暮らしていた濁った池から取り出す際、暴れる魚に吹き飛ばされて池の中にひっくり返ったり、ジャンプした魚体が顔をかすめたお陰で歯が欠けた、なんて人もいたのだとか。でも、そんな中でも網から手を離すスタッフはいなかったそうで、まさしく“プライドにかけて”という言葉に違わぬプロ根性だ!!

捕獲されたピラルクーは5tの容器に入れられ、運ばれたそうだが、水槽への移動後、環境の変化が引き金になって死んでしまうことが多いことを鑑みて、移動中に少しずつ水を交換。東京に着いてからもすぐに水槽に入れず、時間をかけて水槽の水へと交換し、水槽に導入される頃には、すっかり“池袋の水”に馴染んだ状態にするという念の入れよう。
時間的にも失敗が許されなかったこともあるが、執念すら感じさせる移送作戦によって約1600㎞の移動を無事完了。水槽で元気に泳ぐ姿を公開することを成功させた。ちなみに、餌も既に食べ始めているという。
http://www.youtube.com/watch?v=w8D0b3pOiAs
泳いでいるピラルクー。8/1に撮影したものなので、水の濁りが強いです。

新しいピラルクー水槽は、旧水族館ではマンボウが泳いでいた水槽。
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以前、ピラルクーがいた水槽と比べると、大きく広くなった。何でも水量は10倍になっているのだそうだ。
ピラルクー以外の魚たちは、以前のピラルクー水槽から移ってきたと思しきパールムやレッドテールキャット、コロソマなど。
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水槽の左端、水面付近に固まってる小さなシルバーアロワナたちは、改装中に行われていたミニアクアで展示されていたもの。ミニアクア終了後、餌をたっぷり与え、できる限りの成長をさせてこの水槽に運び込まれたものらしい。
他の魚とのサイズ差を見れば、喰わわれてしまう心配が必要サイズだけに、頑張って生き延びてね!! と応援せずにはいられない。

これらの魚が移動してきたことで、マンボウはあおりを食った形になったけれど、南国イメージの中庭には、マンボウよりも南国の淡水魚の方がイメージ的には合ってるのかも知れない。
とは言え、ピラルクー水槽の隣にいるのはペンギンだけど(笑)

既存の水槽を改造したはずの水槽なのに、オレが以前聞いた“水槽がまだできあがってない”とはどういうことだったんだろうか? 中の擬木とかのこと?
でも、綱渡りのオープンだったことは間違いないようで、オレが見に行った当日も、朝一はとりあえずクリアだった水が、昼頃から濁り始め、最初は“餌でもやったのかな?”くらに思ったんだけど、それにしては濁りが強すぎるし、時間をおいて見に行っても、濁りは強まるばかり。コイツは何かおかしいぞ、なんて思っていたら、大勢のスタッフの人たちが、水槽裏の作業扉を開けて、慌ただしそうに何かしらの作業を行っていた。
次に行く時までには、改善されている問題なんだろうけど、あらためて水族館の新装オープンっていうのは、いろいろ大変なものなんだなぁ、と思わされた。

さて、2匹がやってきた肝心のピラルクーだが、サンシャイン水族館のすべての展示生物で最大の大きさと言われるほどの大きさ。2mくらいあるかも知れない。
このブログで何度も書いているように、東京、神奈川の水族館でピラルクーがいる所は少ないので、そういう意味でもこの2匹の存在は貴重だ。
個人的にも、シノノメやヒョウモンオトメエイなどと同じく、今後、定期的に会い行きたい楽しみな存在でもある。

あとは、水族館では意外と短命なピラルクーたちが、ここで1日でも長く生きてくれることを切望するのみ、だな。
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コメント 4

pomu.

いいしゃくれっぷりですねぇ^^

ピラルクーが来るまでにいろいろなドラマがあったんですね
記事を読みながら、(今さらですが)ドキドキしてしまいました
2時間ぐらいの番組が作れそうな気がします
できたらもちろん見ます 録画して永久保存しますよー!

スタッフのかたたちの「プライドをかけて!」という言葉、ぐっときますねぇ

どうかピラルクーたちが元気で長生きしてくれますように!!
by pomu. (2011-08-10 17:49) 

ミストラル

>pomuさん

作れますね~ 2時間ドラマ。
テレビ東京あたりの番組でドキュメンタリー風もありでしょうか?
「ピラルクーにかける男たち」 みたいな!?(笑)
実際はそこまでかけてないと思うんですけど(笑)

昨夜も行ったのですが、水もだいぶ綺麗になってきているし、魚たちも機嫌よさそうですよ。
ただ、赤さは初日が一番強かったような気がしています。

by ミストラル (2011-08-11 21:44) 

中村 元

ミストラルさん、最近なんか写真のキレと立体感が、ボディービルダー的にいいじゃないですか!
特に、このピラルクーの写真、とりわけ一枚目はすごいわ。

こんなに質量感を感じるピラルクーの写真は見たことないし、構図もこれ以外にこれ以上のものはないと思うくらい。

ちょっとふるえましたぞ。
by 中村 元 (2011-08-12 01:56) 

ミストラル

>中村さん

ありがとうございます。嬉しいです!!

ただ、まぐれ当たりなので、大喜びはできないのですが…
でも、イルカやラッコを可愛く撮ることができない反面、
自分が好きなピラルクーやサメでは負けたくないなぁとはいつも思っています。
それが勝因でしょうかねぇ!?

これから先も、中村さんが言ってくれたような言葉を聞けるよう、精進したいと思います!!

by ミストラル (2011-08-13 00:34) 

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