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琵琶湖博物館の気になる魚 [淡水魚]

前のブログでも書いた通り、琵琶湖博物館で見るのを楽しみにしていたのは、琵琶湖産の魚よりも、世界の湖の魚の水槽だった。
実際、世界の湖の展示ゾーンに入り、水槽の中のエキゾチックな大きな魚が見えた瞬間、ちょっとしたときめきと、オレが見るべき所はここ!! みたいな安堵感? みたいなものを憶えた気がした。

世界の湖の展示ゾーンで、もっとも印象的だったのが、最初の洞庭湖の水槽だ。
中国大陸の魚たちなので、中を泳ぐのはコイ科の魚ばかりで、知っていたのは唯一、エンツユイのみ。大きなエンツユイがいることは分かっていたので、それを見るのを楽しみにしていたのだけど、大きさはともかく、赤さはイマイチ。ちょっと期待はずれな感じもあったのだけど、その外れた期待感を埋め合わせてくれたのが、チャイニーズ・ゴールデンバルブだ。
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フナをちょっとコイ風にしたみたいな感じの魚だけど、そのサイズは大陸級。
こんなフナみたいな魚が、こんなにデカイのか!! と、日本とは異なるスケール感にまず驚かされる。
ここに来るまでに見てきた琵琶湖の小魚たちは、ピリピリしていたり、ピュンピュンと泳ぎ回るものだから、見ていて落ち着かないものも少なくなかったのだけど、この大陸の巨大ブナときたら、実にゆったり、ちょっとした風格みたいなものさえ漂わすような感じで泳いでいる。
ゴールデンバルブの名前に反して? 大して綺麗な魚ではなかったけれど、そのサイズや泳ぎ方など、大陸のスケール感? みたいなものを強烈に印象づけた魚だった。
同じ水槽には他にも色々なコイ科魚類が泳いでいるのだけど、そのどれもが見慣れない形と雰囲気を持っているから、コイ科魚類はあまり好きではないのに、水槽の前からなかなか離れられなかった。

まるで見慣れない洞庭湖水槽に対し、見慣れた魚ばかりが入っていたのが、その次に現れるトンレサップ湖水槽、つまり東南アジアの淡水魚の水槽だ。
この水槽に関しては、洞庭湖水槽とほとんど同じ作りの背景がイマイチだと思ったのだけど、中の魚は綺麗。とりわけ、シルバーシャークの綺麗さは特に印象に残った。
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ウチで飼ってたことはないけれど、熱帯魚としては昔から親しまれてる? 魚のひとつ。
売ってるものは小さいからか、いかにもその辺の川にいそうなコイ科魚類な雰囲気。だからなのか、これまで特に興味を持つこともなかったんだけど、琵琶湖博物館にいたものは、オレがこれまで見たものの中で最大サイズ。それでいて変に太ったりもしてなくて、綺麗に育ってる。特別好きな魚でもないから、大きな感動はなかったけれど、“ほぅ!!”とちょっと見直した。

トンレサップ湖の次に登場したのが、アフリカのタンガニイカ湖。
その水槽がビックリするほどのマニアックさで、ほとんどの観客がスルーしてしまう残念なものになっていた。
まぁ、それはそうだろう。パッと見は地味は小魚が沢山いるようにしか見えないし、ネームプレートも長ったらしいカタカナ名前の聞いたことないものばかりなんだからね。
観賞魚の世界でも、タンガニイカ・シクリッドはマイナーな部類。それらが泳ぐ水槽はアクアトトぎふにもあるけれど、メジャーな顔ぶれが揃うアクアトトに対し、この水族館のタンガニイカ水槽ときたら、ものすごくマニアックな顔ぶれだけを揃えている。まぁ、この辺はオレ基準ではあるけれど。

9種類のシクリッドが暮らしている中で、やはりトップスターはオフタルモティラピア・ヴェントラリスとキアソファリンクス・フルキフェルだろう。これもまたオレ基準。
ただ、O.ヴェントラリスはあまり綺麗な個体が見当たらなかったから、ここではC.フルキフェルの方を。
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パッと見では、黒っぽい地味な小魚だけど、光が反射するとこの通り。
本当は各ヒレが長く伸長し、色だってもっともっと綺麗な魚なのだ。
マニアックな魚だけに、この手の魚をメインにやってるマニアの水槽の方が綺麗な個体を持っていそうだけど、こんな魚を公共性の高い水族館で見せている点はスゴイと思う。
でも、どうせなら、本来の綺麗さで、これらの魚を知らない人を驚かせられたら、とも思った。

タンガニイカ湖のシクリッドたちを眺めてたら、横目に細長い魚が行きすぎるのが見えた。その時見ていたのがアフリカの湖だったから、次に来るのもアフリカの水槽だろう。だったらアフリカンパイクかな? なんて思いながら、次の水槽に移動すると、そこはアフリカの水槽でははなく、アメリカの五大湖水槽。アフリカンパイクだと思った細長い魚はレイクトラウトだった。
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レイクトラウトは日光の中禅寺湖にもいるそうだが、生きた姿を見るのは初めて。
飼育下のマスらしく、体型に若干の型くずれが見られたが、まぁ、許容範囲内。それよりも、その他のサケマス類よりも、明らかに細長く尖った顔つきが印象的。その顔で157㎝にもなるというから、サケマス類では屈指の大きさとカッコよさを持った種と言えそうだ。ここの水槽で泳いでいたのは30㎝くらいの小さいものしかいなかったけど、1mくらいあったなら、そのカッコよさはシビれるほどだったんじゃないかな!?
名前は知っていたけれど、生きた姿は見たことのない魚だったから、これまで知らなかったカッコよさを知ることができたようで、ちょっと得した気分になれた。

北米産の魚をもうひとつ。
水族館最後の水槽であるチョウザメ水槽からロングノーズガーを登場させておきたい。
IMG_3033.jpg
ロングノーズガーはアリゲーターガーに次いで大き(長)くなる種類だが、大きな個体を見かけることは少ない。体が細すぎて、70㎝くらいあっても大きく見えないというのもあるけれど、成長が長さではなく、太さの方に転じてようやく大きさを感じさせるようになるから、よほど長くならない限り、大きく見えるようにならないのだ。
琵琶湖博物館には、そのデカく見えるロングノーズガーがいたのだ!!
長さは1mくらいだろうか? でも太さがでてきていて、ちゃんと大きく見える。
熱帯魚店でも一般的に流通している養殖ものとしては、ほぼフルサイズと言っていい大きさだ。
正直、ガーを大きくする環境としては最高とは言い難い水槽で、これだけ大きくなっているのだから、性格等も含め、当たりの個体だったんだろうね。
水槽が暗い上、このロングノーズガーよりもはるかに大きいチョウザメがまわりにウヨウヨしてるからあまり目立たないのだけど、コイツもまた、一見の価値ある個体だ。

琵琶湖の魚編に続き、またまた長くなっちゃったよ。
まぁ、それだけ魚好きには楽しい水族館だってことで…

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コメント 2

pomu.

シルバーシャークのヒレがきれいです!
こんなに凝ったグラデーションにする必要あるの? って思ってしまうぐらいです

キアソファリンクス・フルキフェルのヒレが長く伸びて、十分光を反射している姿を見てみたいです
きっと「わぁっ!」って思えるぐらいきれいなんでしょうね

レイクトラウトも螺鈿細工のようで美しいですね

知らずに訪れたら、うっかりスルーしてしまいそうなコが多い淡水魚
ちゃんと見ればこんなに見ごたえがあるんですねー!
by pomu. (2011-01-15 20:26) 

ミストラル

>pomuさん

ホントですね!! グラデーションになってます。
昔から知ってる魚ですが、ヒレがこんなエアブラシで描いたみたいなグラデーションになってたなんて、気がつきませんでした!!
確かに綺麗ですね。ホント、何でこうなってるのか分からないですけど。

淡水魚は海の魚に比べると小粒で地味めですから、どうしてもオマケ、みたいな感じの扱いになってしまいますよね。
でも、琵琶湖博物館は水槽も魚も綺麗なので、ちゃんと見る気にさせてくれます。
とても見応えのある水族館でした。
by ミストラル (2011-01-16 04:57) 

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