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琵琶湖博物館 [水族館インプレッション]

普段はあまり行くことはないけれど、行くと楽しいのが博物館だ。
知的好奇心が刺激され、その場を後にする頃には大きな満足感が得られているからだ。
そんな博物館ならではの面白さや満足感を、ものすごく大きなレベルで与えてくれるのが琵琶湖博物館だ。

琵琶湖博物館は、その名の通り琵琶湖をテーマにした博物館で、その成り立ちやそこに住まう過去から現在に至る生物、生態系、そして琵琶湖周辺に暮らす人々の生活、その変化の過程など、様々な角度、側面から琵琶湖を見せてくれる、実に興味深く面白い博物館だ。
オレの目的である水族館も、その充実した展示の中のひとつであり、しかもその規模はかなりのもの。もう恐れ入る、としか言いようがないよ。

入館時、入り口でチケットを買おうとした時、企画展(琵琶湖の深部にまつわる展示)の案内が出ていたので、それも併せて買おうとしていたら、「植物園はどうしますか?」
ファーストフード店で“ポテトはいかがですか?”ばりに尋ねられた。葉の落ちる紅葉シーズンに植物園? と思ったものの、“スイレンの温室”なる言葉が目に入ったので、そのチケットも買うことにした。しめて1050円。最初は鬱陶しく思ったチケット販売も、結果的には植物園にも行って大正解。屋外の方は思った通り寂しいものだったけど、温室は実に素晴らしかった。熱帯植物、とりわけ熱帯スイレンに興味がある人なら、大きな満足感を得られること間違いなしだ!!
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バスを降り、綺麗に整備された公園のような通路を通って、博物館の入り口へと向かう。
両脇に立派な植生がある、ちょっとひっそりとした入り口は、何となくアカデミックな雰囲気が漂っているのは博物館だからだろうか?
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館内はひっそりとした入り口からは想像もできないくらい規模が大きく、幅広く充実した展示が行われている。
水族館ブログなので、博物館展示についてのレポートは割愛するが、テーマごとにA、B、C、3つに分かれた展示ゾーンはそれぞれ充実した展示がなされており、それを目的に出掛けていたワケではない(何の期待もしてなかった)ことも手伝って、何を見ても、「へぇ~!!」と感心させられるばかり。Cゾーンまで見終えた頃には、すっかり満足感も得られていたため、本来の目的を忘れて帰ろうかと思ったほどだ(笑)
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充実の展示でお腹いっぱい、みたいな気分になっていたにも関わらず、目的の水族展示室でさらに驚かされることに。順路の最初に現れるトンネル水槽を見た時、再びエンジンに火が入ったような気分になった。
博物館のオマケくらいに想像していたのに、水族展示室だけでもかなりの規模。それだけで胸焼けできそうなくらいのボリュームなのだ。
地元の淡水魚にテーマを絞った水族館としては、最大かも知れない、と思うほどの規模。だけど、展示されているのは基本的に琵琶湖の魚なのだ。あらためて琵琶湖のすごさと、やはり生態系の圧倒的な幅の広さを思い知らされた。

規模だけでなく、水槽が綺麗なことにも驚かされた。
水が綺麗とか、掃除が行き届いているとかということよりも、水槽の中に作り込まれた背景など、まさにそこに泳ぐ魚の実際の生息環境が思い浮かぶようなのだ。
特にトンネル水槽なんか、光の入れ方? によって、水まで濃い色に演出され、水槽内に作り込まれた岩床(岩礁)、そして見上げた上にある水面など、「オレは琵琶湖の中にいる」という感覚を濃厚に味わえるのだ。
トンネル水槽なんて、今や日本中の水族館にあるけれど、水中の中にいる感覚は、どこのものよりも強いんじゃないかと思った。
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トンネル水槽以外でも、大きめの水槽はどれもしっかり作り込まれていて、どれも素晴らしい。
そうした作り込まれた環境は中の魚にも好影響をもたらしているようで、どの魚も綺麗。日本の淡水魚にほとんど興味のないオレでも、思わず見入ってしまうほど。

琵琶湖博物館の水族展示室の順路終盤に現れるのが、世界の湖の魚。
琵琶湖の魚と対比という意味で、外国の有名な湖の魚を展示してあるのだ。実を言うと、この世界の湖ゾーンの展示こそが、オレの目的だったのだ。
ここでもやはり、水槽は背景まで擬岩などが配されたものだったが、やはり地元、琵琶湖ほどの作り込みはなく、そこで泳ぐ魚の現地での姿をイメージするほどではなかった。しかし、それもあまりにも素晴らしい琵琶湖の展示を見た後だから、とも言える。それぞれ単品で見れば、どの水槽も綺麗で素晴らしいのだ。
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中でも、オレがもっとも感動したのが、洞庭湖の魚を展示した水槽。
エンツユイ以外、見たことのない魚たちばかりだったこともあるけれど、日本にもいそうなコイ科魚類ばかりながら、やはり大陸のそれはスケールが違う!!
水槽が多少暗いけれど、琵琶湖産の小さな小魚たちよりも的が大きい分(笑)、写真は撮りやすい。

また、非常にマニアックなラインナップのタンガニイカ湖水槽、最後に登場するプールのようなチョウザメ(古代魚)水槽もよかった。だが、水槽の背景がどの水槽も変わらないことと、琵琶湖の魚の水槽ほど明るくないのはちょっと残念。水槽専用の照明がないチョウザメ水槽以外は、見る分には問題ない明るさはあるのだけど、もっと明るければ、微妙な色合いが見えたりなど、魚も違って見えたと思うのだけど… その暗さ具合も狙いなのかな?
でも、これは、琵琶湖の魚を展示した水槽があまりにも素晴らしかったからそう感じるだけで、きっと、これだけ見れば十分素敵な水槽だったんだろうと思う。

しかしまぁ、博物館だけでもお腹いっぱいになれるのに、水族展示室もまた、それだけで十分お腹いっぱいになれる立派な水族館だった。
淡水魚に特に興味が無くても、水の中にいる感覚は濃厚に味わえるから、水のある空間でゆっくりしたい、なんて向きにもピッタリだろう。
これだけのボリュームがありながら、博物館だけならたったの600円ですべてが見られてしまうのだから、コストパフォーマンスという意味では、国内随一かも知れない。
博物館だからエンターテイメント性は少ないかも知れないけれど、知的好奇心は刺激されること間違いなし。
大人になっても好奇心が尽きない人にこそ、是非足を運んでみて欲しい博物館だと思った。

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コメント 2

pomu.

植物園、博物館、水族展示室……それぞれでお腹いっぱいになってしまうとは!
これは胃袋ならぬ好奇心袋をよっつは持っていないといけませんね
牛もびっくりです(笑)

5枚めの写真、すごくきれいです
きれいすぎて一瞬「CG映像?」って思ってしまったぐらいです
向こうのほうまで見えるんですね!

知らないだけで、本当に素晴らしい施設がたくさんありますねー♪
by pomu. (2011-01-09 16:56) 

ミストラル

>pomuさん

植物園は博物館から5分くらい離れた場所にあるんですが、
琵琶湖のほとりを歩いて行くのも、ひとつのプレジャーでした。
遠足の集団をかわすのにも、時間的にも最適な場所でした(笑)

洞庭湖水槽、気に入っていただけました?
でも、琵琶湖博物館にはこんな水槽が沢山あるんですよ。
ホント、どの水槽も作り込まれているので、しっかり見たくなります。
好奇心袋の容量の問題か、胸焼けしそうでしたもん(笑)
by ミストラル (2011-01-10 11:48) 

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