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エノスイの気になる魚 [海の魚]

以前、テレビ東京系の番組「ガイアの夜明け」で水族館の話をしていた回でのこと。
美ら海水族館の深海水槽の担当スタッフが、バラムツを釣り上げ、水槽へと搬入。
「多分、初めての生体展示だと思います」なんて話すシーンが放送されてた。
そのスタッフ氏の話は、他にもいろいろ心打つような内容だったんだけど、とりあえず2ヶ月後に迫った美ら海水族館行きの楽しみがひとつ増えたかも、なんて思ってた。
だが、相手は深海魚だからして、見られない可能性も高い。
実際、美ら海水族館ではバラムツに会うことはできなかった。

しかし、7月に入ってすぐに、エノスイに搬入されたとの情報が。
電話してみると“まだ生きてます”とのことだったので、急ぎ見に行ってきた。
搬入された相模湾大水槽を探していると、水面付近に黒っぽい色をした細長い魚がいるのを見つけた。
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イメージしていたものよりも細長いが、なかなかカッコいい!!
大きな眼と、棘のように立った鱗が印象的。口にも尖った歯が並んでいる。結構なフィッシュイーターだということが見て取れる。
しかし2匹いた内の1匹は傷みが酷く、既に半死状態。もう1匹も傷はそこまで酷くないものの、深海の魚が水面付近を漂ってる時点で、芳しい状態とは言えないだろう。よく見れば、既に目が逝ってるというのか、生気を感じない。辛うじて泳ぐ元気は残っていたようだけど…
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深海の魚のまわりを、水面を住処とするシイラが泳ぎ回るというのも、実に違和感のある光景だったけれど、とりあえず生きたバラムツを見れたという事実だけは嬉しかった。

それからしばらく経った7月半ば、再びバラムツが搬入されたという情報が。
今度はタカアシガニの水槽に搬入されたとのこと。
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後述のサワラを見に行ったついでに見てきたのだけど、相模湾大水槽にいたものよりも状態はよさそう。
捕獲時の状態もさることながら、深海魚のバラムツには20℃前後の水温の相模湾大水槽は、温かすぎたのでは? と想像している。
タカアシガニの水槽なら、水温は本来生息している海域に近い温度なのだろうし、そのせいか、眼はしっかりしているように見えた。
今の時期はガラス面の結露が酷くて見にくいが、いつ行っても見られるくらいに長生きしてもらいたいものだ。このブログでは今頃になって登場してるけど、見に行ったのは7月半ば頃の話なので、どうしても見たいという人は、電話をしていった方が確実かも!?

先にも書いた通り、7月半ばにエノスイに行ったのは、サワラが搬入されたという情報を得たから。
サワラはいかにもオレ好みな雰囲気の魚なのに、生きたものを見たことがない。
これまでずっと、生きて泳ぐ姿を見てみたい魚のひとつだったものが搬入されたとあれば、これは見に行くしかない!!
サバのような青く綺麗な細長いボディ、オニカマスとマグロを足して2で割ったような顔つきをしたカッコいいフィッシュイーターを想像しながら、水槽の前まで行くと…
そこにいたのは銀色の雑魚感たっぷりの小魚だった。
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水槽内をせわしなくグルグル泳ぎ回る様は、よく言えばカツオを彷彿とさせるが、カッコいいと言うよりは、餌系小魚といった雰囲気。
しかし、よく見れば、サバ科の高速遊泳魚の証とも言える尾柄部分の小離鰭があり、口も体の大きさに不釣り合いなほど、裂けたように大きい。
つまり、ただの雑魚ではないってことだ。それどころか、これより小さな魚たちからすれば、脅威の捕食者であることを物語っている。

実際、その成長速度は驚くほどらしい。
搬入時は3㎝ほどだったにも関わらず、1ヶ月半ほどで現在の大きさ(15㎝くらい・7/22現在)まで成長。展示に出されたものだそうだ。
搬入時は共食いが激しく、給餌は日に8回。現在は共食いこそ減ったものの、5~6回の給餌が行われているとか。でも、餌の量に比例してか、成長速度は速く、朝と夕方とでは大きさが違っていることもあるらしい。だから、この写真から既に1ヶ月近くが経過した今なら、さらに大きくなってることだろう。
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そんな説明書きを読むと、せわしなく泳ぐ雑魚が、何だかスゴイものに見えてくる。
というのも、ガーの幼魚とまったく同じだからだ。
小さいガーは餌が少なければすぐに共食いをするし、餌を与えればその分だけ大きくなる。
とは言え流石のサワラも、アリゲーターガーほどのスピードでは成長しないだろうけど、半年も待てば、オレの期待通りのカッコいい魚になってくれそうってことだ。
そうなれば相模湾大水槽に移されるとのことだが、あのイワシの群れを超高速で食い散らかす、みたいなシーンを目の当たりにする、なんてこともあるかも知れない。
ただ、気がかりなのは、比較的神経質そうなこと。
壁にぶつかるのか、口先に傷のある個体が少なくなかった。また、銀色の肌はタチウオのようでもあり、いかにもスレ傷に弱そうな雰囲気なのだ。
大きな個体が飼えない理由もそのあたりにありそうだし、今いる幼魚も成長に伴い、壁などにぶつかったり擦れたりして死ぬものも出てくるかも、みたいな心配も。

何はともあれ、無事に大きくなって、カッコいいはずの本来の姿を見せて欲しいものだ。
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コメント 2

pomu.

1、2枚めと3枚めの写真とでは、明らかに目が違いますね!
今も元気に暮らしてくれてたらよいですねぇ

サワラといえば、もう切り身になっている姿しか想像できないのですが
海にいるときにはガンガン泳いでるんでしょうね
その姿を見てみたいです

写真の小サワラたちも、小さいとはいえ体つきがすごくしっかりしているように思えます
こちらも元気で大きくなってくれますようにー!
by pomu. (2010-08-21 17:01) 

ミストラル

>pomuさん

今も元気だといいのですが、タカアシガニの水槽は水温が低いので、
結露が酷くて、今の時期、ものすごく見にくいんです。
写真でも結露が写っちゃってますよね。

サワラも鮮魚店で1匹の姿は見たことがあるのですが、細長い大きいサバみたいでした。
これは是非、大きくなって欲しいのですが、水槽で大きくなったものでも、ちゃんと青くなるのか、それが気がかりです。
その辺も含め、今後の楽しみですね。
by ミストラル (2010-08-22 14:04) 

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