ここのが最高!? 須磨海浜水族園のサメ

須磨海浜水族園には魅力的な水槽が沢山あるのだけど、個人的に一番好きなのは、やっぱりエントランスにある大水槽だ。

ものすごく高い天井、とにかく広いエントランスホール。その先にスクリーンのように広がる水槽。
水槽のある空間は暗くひっそりと（雰囲気ね）しているのに、そこを適度な明るさに照らすほどの光が、水槽から溢れ出している。
遠くに見える青いスクリーンの中を、エイたちが白いお腹を見せながら行き来している。例えば、朝一番に入館して、誰もいないホールの端で、ベンチに座って水槽を眺めていると、とても幻想的な雰囲気に、心が落ち着く。
ここに住みたい!!　と思うほど、素敵な空間だ。

雰囲気もすごく素敵なのだけど、それがすべてというワケじゃない。
オレが惹き付けられるワケは簡単なのだ。
サメやエイが沢山入っているから。
ネームプレートによるとサメは9種類!! よく探せばあと1～2種はいるんじゃない!?　みたいに思えるほどの充実ぶり。
それらのほとんどは余所の水族館でも見られるものなのだけど、ヤジブカ（メジロザメ）、シロワニ、ツマグロの3種類には特に注目してみて欲しいのだ。

まず、ヤジブカ。

切れ味抜群だぜ、ベイビー!!（映画版トランスフォーマーのジャズ風に・笑）

コイツを展示してる水族館はそんなにないから、目にする機会が少なくて、見られること自体にありがたみがあるということもある。
でも、マッチョで強そうな体躯と、いかにもメジロザメな顔つき（メジロザメ科の代表種だから当たり前なのだけど）、この種ならではの巨大な第1背ビレなどなど、なかなか見られないという希少性も手伝って、本来好みのタイプではないにも関わらず、“カッコいい”を連発してしまうのだ。
水槽の下の方ばかり泳いでいるのが見にくくて難点だが、体も大きいし、とにかくすべてを切り裂いてしまいそう（実際は何も切らないし、切れない）な巨大な背ビレが目立つので、すぐに分かるはず。
ものすごくカッコいい!!


お次はシロワニ。

凶悪な顔つきが人気の大型のサメだが、意外とこうした混泳水槽で飼われているイメージは少ない。
しかも、大抵は漂うようにゆっくり泳いでいることが多いのに、ここのは違う。
他のサメ（メジロザメ類）と同じようなスピードで、泳ぐ魚たちをかき分けながら水槽内を泳ぎ回っているのだ。
泳ぐコースは決まっているようで、ほぼ毎周、決まったコースをなぞるように泳いでいく。そのため、写真に撮ると、いつも同じ画になってしまうのだけど、こんなに速く泳ぐシロワニはそれだけで新鮮だ。
2年前に行った時には、左端の岩礁あたりでジッとしていたのに。
彼に何があったのだろうか？
“顔は怖いけどいいヤツ”ではなく、“顔からして恐ろしい捕食者”なイメージのシロワニを見たければ、まず間違いなく、ここの個体が最適だ。

そしてツマグロ。

コイツこそ、どこの水族館にでもいるのだけど、須磨の大水槽で泳いでいるものは、何故かは分からないけれど、とりわけカッコいいのだ。
その理由を考えてみよう。
まず、大きいこと。
メジロザメとしては小型種で、大きいイメージのないツマグロだが、ここにいる個体はどれも、そこそこ大きい。
だから、メジロザメならではの危険な香り？　とシャープなカッコよさが際立っている。

その大きくて立派な個体が沢山いるものだから、否応なしに目が惹き付けられる。
それが水面に近いいい位置を泳いでくれるものだから、ついついカメラのシャッターを切ってしまうのだ。

自然光が降り注ぐこともプラスなのだろうか？
水の色と地色、降り注ぐ光のバランスなのか、とても綺麗に見えるのだ。
個人的には、シロワニやヤジブカよりも、ツマグロをNo.1サメとしてあげたいほど。
ホント、ずっと見てるとあまりのカッコよさに溜息が出てくる。
日本中の水族館を見て回ったワケではないけど、ツマグロに限って言うと、日本で一番カッコよく見える水族館なんじゃないかな？
今でも十分素敵なサメ水槽だけど、あとここに、オグロメジロとクロヘリメジロが加われば、もう最強!!　日本で一番素敵なメジロザメ水槽になること間違いなしだよ、きっと。

好きなサメの話をしていると、ついつい“カッコいい”を連発してしまいがちになる。
まったく、ライターを生業にしている者としては、それしか言葉を知らないようで少々恥ずかしくなってくるのだけど、こればっかりは仕方ない。
だって、ホントにカッコいいんだから。

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