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二見シーパラダイスの気になる海獣 [鰭脚類]

二見シーパラダイスといえば、やっぱり海獣なのである。
海獣のいるプールを見学するのではなく、観客がいる場所に海獣を連れ出してくるというスタイルはここがパイオニア。今でこそ似たようなスタイルで間近で海獣を見られる水族館もいくつかあるが、本家本元はここなのだ。

意外な規模に驚かされた植物園(淡水魚の展示エリア)を抜けると、ここのメインディッシュたる海獣広場に出る。
アザラシやセイウチ、イルカなどが暮らすプールが広場を囲むように配置されているが、思っていた以上の狭さに、想像以上に充実していた魚とは逆の驚きが。
実際、動物たちが暮らすプールやスペースも相当小さく、また、設備も古いのか、水の濁りが強かったり、プールを囲むアクリルがキズだらけだったりして、中の動物は絶望的なくらい見にくい。
きっと、だからこそ動物たちを観客の前に連れ出すことで、設備面での不具合をカバーしているのだろうね。災い転じて、ということだったのかも知れない。

すぐ目の前で見られたり、触れたりという部分ばかりが注目されるが、海獣に関しては“ここでしか見られない”がいる。
水族館の規模は小さいのに、飼っている海獣は大きいものが揃っていて、アシカ科最大種のトド、アザラシ科はおろか、鰭脚類でも最大種となるミナミゾウアザラシ、ゾウアザラシの次くらいに大きくなるセイウチと揃っているが、中でも、二見シーパラダイスを象徴する存在である“あっかんべーアザラシ”こと、ミナミゾウアザラシは、今やここにいる2頭の母子が日本で見られるすべて。
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残念ながら、2頭ともメスなので、ゾウアザラシならではの鼻の長い顔や、鰭脚類最大の巨大さはないが、それでもそれが目の前に出てくれば、十分ビックリできるくらいの大きさはある。
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行った時期は発情期に当たる頃で、娘の夢海子(ゆみこ)ちゃんは飼育スペースから出せないとのことだった。
プールの周辺には独特な臭いが漂い、当のゾウアザラシたちも神経過敏になったりしているらしい。
この時期だけのものとはいえ、何だか可愛そうだなぁ、と。
エノスイのミナゾウくん亡き後、彼女の発情を鎮められるオスのゾウアザラシは日本にはおらず、今後入ってくる可能性もほとんどないだろうから、これから先、死ぬまで無駄に発情期を過ごさなくちゃならないのだ。
発情期がない人間のオレには、それがどういうものなのかは想像しかできないのだけど、観客に向かってあっかんべーをしている2頭がとても不憫に思えた。

ここでしか見られないはもうひとつ。
ミナミゾウアザラシに比べれば小粒だが、向かいのプールにいるツメナシカワウソに会えるのもここだけだ。
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よく見られるコツメカワウソよりも大きく存在感があるが、落ち着きがなく、飼育スペース内をせわしなく動き回っているのは変わらない。
だが、観客に対する好奇心は強いようで、アクリル越しに広場や観客を眺めていることがしばしばあって可愛らしい。
ただし、アクリルがキズだらけで、写真を撮るにはちょっと難あり、なのだけど…

珍しいそれらの海獣類よりも、ここではよく見られるバンドウイルカの方が人気が高いかも知れない。
何せ、一緒に遊ぶことができるのだから、イルカ好きにはたまらないはずだ。
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イルカのプールにはいくつかのボールが浮かんでいて、イルカたちはそれをくわえて遊んでいるのだけど、プールサイドに観客がやってくると、そのくわえたボールを観客に向かって投げてくる。それをイルカに投げ返してやると、その後もそれを繰り返す。つまり、キャッチボールができるのだ。
ただ投げてやるだけではダメなようで、しっかり口にめがけて投げてやらないと、すぐにどこかに行ってしまう。
ある程度勢いのある球が好みなようで、イメージ的には“口の中に叩き込む”くらいの感覚で投げてやると、反応がいいように感じた。口にすっぽり挟まったボールを何度かくわえ直しながら、また投げ返してくる。
キャッチボールを長く続けるためには、投げ方や、球の勢いを変えたり、フェイントなんかもいいらしい。
ただ、イルカの気分が乗ると、いつまでも投げてくるので、止めるタイミングに困る、なんてことがあるかも知れない。

そういえば、気になったものがもうひとつ。オウサマペンギンだ。
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古い旅館の風呂場みたいな場所で暮らしているのだけど、メインは温帯種のケープペンギンで、それと一緒にマカロニペンギンが1羽、オウサマペンギンが2羽飼われている。
オウサマやマカロニなどの亜南極種は、冷房された部屋で飼われていることが普通なように思うのだけど、ここではケープと同様、窓を開け放した外気温の中で飼われていた。
行ったその日は結構蒸し暑い日だったのだけど、大丈夫なんだろうか?
もし、それで問題ないのなら、もっと多くの水族館でオウサマペンギンが見られるようになるんだけど……

余談になるが、ショーやパフォーマンスはセイウチとゾウアザラシが出てくる以外に、アシカショー、トドタイム、イルカタイム、ゴマちゃん(ゴマフアザラシ)タイムがある。トドやイルカ、アザラシは回数が少ないので、その回を見逃すと次はないことがあるため、見逃さないように注意して欲しい。ちなみにオレは… 残念ながらいくつか見逃してしまった。
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