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美ら海水族館のサンゴ水槽 [水槽]

美ら海水族館は、沖縄の言葉が園館の名前になってることからも分かるように、沖縄の海に特化した展示を行った水族館である。
でも、前のブログにも書いた通り、似たような、と言うか、同じコンセプトの水槽は余所の水族館にもある。

例えば、ジンベエザメやオニイトマキエイが泳ぐ黒潮の大水槽も、19年前から大阪の海遊館にあったし、太陽光が降り注ぐサンゴ礁の水槽は名古屋港水族館に大きなヤツがあるし、深海魚の水槽だって、比較的大きめの水族館なら、何かしら似たような水槽があるはずだし、アクアワールド大洗に行けば美ら海水族館の2/3くらいはありそうな水槽もある。
美ら海水族館で思ったほど感動しなかったのは、それらの水槽で既に感動してしまっていたからだ。

でも、入り口を入るとすぐ目の前に広がっているサンゴの水槽には強烈なインパクトを受けた。
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生きたサンゴを育成、展示した水槽は他にもあるが、それらとは根本的に違うというか、ケタが違う。その水槽を前にしたオレの口からは、思わず、“マジかよ!!”と言葉が飛び出た。

うっすらと水色に輝く、驚くほど透明感の高い水を湛えたその水槽は、その他の水槽と同じく、天然の太陽光が燦々と降り注ぎ、白い砂による反射で水槽内には光が満ちあふれている。
水族館のサンゴ水槽では、サンゴが密集してるようなものが多いが、ここの水槽は水槽そのものが大きいこともあるのだろうけど、比較的ゆったり広々した印象。
そこに生い茂ったサンゴの合間を、弾けるような色を纏った魚が行き交っている。
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その明るさや、水槽の中に広がる非現実的な水景もさることながら、そこにアクリルパネルがあることを感じさせないほどの透明感には驚かずにはいられなかった。
水の中にいるみたいな感覚が水族館の魅力だとするなら、これ以上の水槽はオレは知らない。どこからがアクリルパネルなのかが分からず、手を前に出しながら水槽に近づいていったほどだ。
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オレは文字によって読み手に情報を伝えるライターを生業にしている。
しかし、この水槽のことはどう伝えればいいのか、頭を悩ませている。
この水槽の前で得た感情や、水槽の中に広がる水景をどう表現したらいいのだろうか。
恥ずかしながら、それに相応しい言葉や表現方法をオレは知らない。
“美しい”とか“感動”なんて言葉は、この水槽の前では、ものすごく陳腐なものに聞こえて、ここで使うには相応しくないと思うのだ。

混雑していて、この水槽の周りの雰囲気もざわついているから、あまりそんな気分にはなれないけれど、この水槽の前に1日中座って、揺れる水や移りゆく光を眺めているだけでも幸せな気分に浸れそうな気がする。

この水槽は、沖縄、それもあの場所だからこそ実現可能だったものと言える。
何しろ、水槽には屋根がないのだ。
つまり、何にも遮られることなく太陽光はそのまま水槽内へと降り注ぐのだ。
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屋根がないから、雨が降ればそれが入るだろうし、台風が来れば水槽も激しく波立つのかも知れない。実際、海水は薄まってしまうらしい。
しかし、新鮮海水が常時注水されているため、大きな問題にはならないのだろう。
それどころか、注水されている海水は、自然にサンゴが育つ海から汲み上げられたものだから、その育成にこれ以上適した水はないくらいのもの。
そうした条件が揃っているからこそ、あんな水槽が実現するのだろう。
他の水槽を見てもそう感じることが多かったが、つくづく水族館のオーナーじゃなくてよかったと思う。
だって、こんな水槽や、水族館のある場所等々の条件を考えると、嫉妬に狂うことになりそうだからね。
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砂の中にはエイもいる。なかなか姿を現さないが、目をこらして底砂を探すと見つけられるかも!?
タグ:水族館
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