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アマゾン水槽の話 [水槽]

水族館の定番展示のひとつであるアマゾン水槽。
薄暗い水槽に、ピラルクーを中心とした南米産の大型魚が泳ぎ、数分ごとに雷やスコールの演出がなされるというのがトラディショナルなスタイルだ。
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最近、雨や雷の演出は減ってきてるような気がするが、展示されている魚は、メインはピラルクー。まわりにはコロソマ。水面付近にはシルバーアロワナが泳ぎ、水底にはレッドテールキャットとタイガーショベル。この定番5種の組み合わせは昔から変わっていない。そのお陰で、多くの日本人にとって、これらの組み合わせこそが、想像の彼方にあるアマゾン河のイメージとして定着しているのだろうと思う。小さい頃からアマゾン水槽が大好きだったオレも、その例に漏れず、アマゾンといえば、この5種類だった。

この組み合わせは、恐らく、昔、手に入れることができた南米産の大型魚がこれしかいなかったからなのだと思うが、手に入る魚の数、バリエーションともに大幅に増えた現在でも変わってないことを考えても、やはり観客の固定されたアマゾンのイメージに応えるためには、絶対に必要なものなのだろう。

しかし、実際にはこれらの魚たちは、彼の地では同じ場所には棲んでいない。
リアルさを追求する最近の展示手法には、少々反する組み合わせなのだ。
また、最近では、南米産以外の大型魚が水槽に加えられていることも多く、アマゾン水槽を謳わなくなった場所も多い。

例えば、東京都下では最古のサンシャイン水族館。
今は“世界の大型淡水魚”となっている1Fの水槽も、昔は“アマゾン基本5種”を展示した“アマゾン川のセクション”という水槽だったのだ。
水槽が改装された頃から、あらゆる魚を投入し、ゴチャゴチャだった時代を経て今に至っているが、南米以外の大型魚が数種類組み合わされるようになったことから、アマゾン水槽として成立しなくなったからなのだろう。手に入る魚が増えたお陰か、アマゾン水槽であることを止めた“元アマゾン水槽”も最近、増えているように思う。
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サンシャイン水族館の“元アマゾン水槽”。パールムなど、南米産以外の魚が泳いでいる。

トラディショナルなスタイルが減りつつある反面、少しずつ増えているのが最近の水族館のトレンドに則った、リアル追求型アマゾン水槽だ。
泳いでいる魚は“アマゾン基本5種”を中心に、淡水エイやナマズ類、大型カラシン類などが追加されている。先にも書いた通り、これらの魚は同じ水域で暮らす魚ではないため、本当のリアルを追求すると成立しなくなってしまうが、日本人がイメージするアマゾンをよりリアルに感じてもらおうという演出なんだろうと思う。
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リアルアマゾンの追求のスタート地点、海遊館のアマゾン水槽。ちょっと狭いのが難点。

このリアルアマゾン水槽の流れは、海遊館から、つまり90年頃からスタートしたものだろうと考えている。
その後、須磨海浜水族園のアマゾン館がそのコンセプトをさらに発展させ、なかがわ水遊園で完成を見た、とオレは思っている。
その他にも、リアルアマゾンを追求した水族館があるのかも知れないが、オレが知っている限り、リアル派の代表はこの3館だ。
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現時点での最高峰(とオレは思う)、なかがわ水遊園のアマゾン水槽。

一方、トラディショナルスタイルはというと、代表は鳥羽水族館だろう。
しながわ水族館も雨や雷が鳴るタイプだが、いろいろな魚が入っており、アマゾンを謳っていない。

オススメとしては、
個人的には、なかがわ水遊園に勝るアマゾン水槽はないと思っているので、ここが一番。南米産の大型魚を楽しみたいなら、リアル派とトラディショナル派の中間といった雰囲気のアクアトトぎふのアマゾン水槽もオススメだ。
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